隔年結実法

隔年結実法

なんだか今日は寒いなあと思っていたら・・・( ̄△ ̄;)
3月も中旬に入ってまさかの雪です。1時間もしないうちに止みましたが、お山は雪化粧です。

 

隔年結実法

 

「今年の適正着果量を確保しながら、来年の結実用の新しい芽を出させる。そして毎年の収穫量を安定させる。」というのが本来のみかん作りの基本なのですが、
土台となる土壌が貧弱、植栽本数が10a当たり500本と超密植、糖度設定を高くしているために強いストレスをかける、作り手が下手、などの理由によりあまり上手くいっていなかったというのが現状でした。

そこで、みかんの特性を逆手に取った「隔年結実法」という手法で栽培しています

このあたりはblog「春の肥料。つづきのつづき。」でも書いてありますので良かったら見てみてください。

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1年おきに着果しようとする特性があって、1年おきの収穫でよいのなら放っておけばよいのですが、長年の慣行栽培のせいで樹が大きくなり過ぎていて、日当たりが悪くなっていました。

それをまず改善する必要があったので、遊休年に強く切り込んで樹形を改造していきます。

 

垣根仕立て

 

通常みかんの樹形というのは、「自然形」といって、全体が丸みを帯びたこんもりとした姿にするのが良しとされているのですが、それを生垣のようにまっすぐ切り立ててしまいます。
樹がコンパクトになる分、枝の長さや太さを揃えやすくなり、結果的に品質が揃ってくるのではないかという考えです。
列間の通路が広くなり作業効率が上がるという効果もあります。

「垣根仕立て」という樹形なのですが、これが偶然、密植で並木植えという北東農園の畑のつくりにぴったりだったのです。

というか、その畑のつくりがあったから見つけた栽培方法なのですけどね。
そして、収穫をしない遊休年を設ける隔年結実法だからこその樹形改造です。

太い枝を切ると、根から吸い上げた養分を使って、そこからまた勢いの強い枝が出てきます。「樹が暴れる」という状態で、花が咲かなかったり、長く伸びた枝が邪魔で、逆に日当たりが悪くなったりと扱いが難くなるのですが、それを遊休年にやってしまうことで、生産年には樹が落ち着いた状態になり、品質的には予想を上回る結果を出してくれています。

ただ、枝数を減らしたり短くすれば、当然枝が充実するまでの数年間は収穫量が少なくなってしまうので、一度に完成型まで持っていかず、数年に分けて段階的に仕立て上げていきます。その先で樹形が安定してやっと完成です。

隔年結実、垣根仕立ての2本立て計画は、今年で7年目を迎えています。
昨シーズンは剪定が強すぎたのと天候を読みきれなかったのとで、極早生みかん全体の30%収量減という憂き目にあいましたが、経験を積み重ねて少しずつ前進しているのは間違いないので、このまま慎重にやり通すのみです( ̄▼ ̄)