何を、どれだけ減らせばいいの?

2015.3.1

2015年3月2日(月)


数日ごとに雨が降ってそのたびに暖かさが増している、まさに三寒四温という言葉をなぞっているような日が続いています。
昨日の昼間はとうとう半袖です。

減農薬って、どういうこと?

北東農園では化学肥料も使いますし、農薬散布も行っています。基本的な考え方は「北東農園について」で書いていますが、農家にとって、「安心、安全」は大きな問題です。。

「減農薬で栽培しているので安全です。」とか「農薬を減らしているので美味しいです。」という言葉をよく聞きます。いかにも体に良さげなイメージですが、なにをどれだけ減らしているのかがちょっとよく分からないですよね。

「今なら割引!」「家族で使えば○○円もっとお得!!」って言ってるのとおんなじで、なんだか落ち着きません。
「元値がいくらで、どれだけお得で、いったいいくらになるんだよ!!」ってことですね。

農薬使用基準

防除暦画像400

これは三重南紀JAが出している26年度温州みかんの防除暦の一部です。各県、各地域によって気候や病害虫の発生状況は違うものなので、それぞれの所でそれぞれの防除暦が出されています。

この地域では、年間防除回数11回、薬剤数はのべ25剤です。
同じ地域のなかでも平地と山の中では、当然病気や害虫の発生状況が違ってくるので、いちばん被害の多いであろう場所に準じたものとなっています。

25剤が多いか少ないかは別にして、防除回数が多いほどみかんがキレイになる訳ではないし、一剤約数千円/10aを25剤も使うほどみかんの利益率は高くないという理由から、生産者は必要なものだけを選んで防除作業を行います。

しかも夏場は「作業が終わるか倒れるか。のどちらか。」的な厳しい仕事なので、出来るだけ減らしたい。

というわけでほとんどの農家さんは慣行基準より削減しているはずです。

ここで疑問が湧いてくるのです。

一回でも減らせば「減農薬」もしくは「低農薬」ということ?

ちょっと減らしただけで、どれだけ安全性が高まるっていうの?

「10%削減」より「30%削減」の方が安全性が高いの?

そもそも安全性が保障されているから、農薬として登録されているのではないの?

「農薬=毒」っていう図式で考えると100%削減が理想なんだろうけど、人間だって病気になったらお薬飲みますやん!

「無農薬」以外に安全なんかないんだよっ! (あ、これは別の話になってくるので後日また。)

結局は「減農薬」をアピールすることで、商品を有利に販売したい思惑とは逆に「農薬ってやっぱり危険なんだ。」という宣伝をしているように見えて仕方がないのですね。

農水省は、あいまいで誤解を与えるような「減農薬」「低農薬」「無農薬」などを直接農産物へ表示することをを禁止しつつ、代わりに「特別栽培農産物に係わる表示ガイドライン」なるものを作って、新たな誤解の種を蒔いているし。

もちろん安心安全のことを真剣に考えて削減に取り組んでいる生産者がほとんどなのでしょうけど、実際農産物を口にする方々へのアプローチの仕方を、もう少し考えていかなければならないなと思うのです。

「安心、安全」というビッグキーワードがどういう意味を持つのか、
そしてその中身の解釈についていろいろな主張のあるなか、
デリケートな話題だけに炎上の火種をも抱えながら 、
不定期ですがシリーズ化して、ちょっとづつ検証していきたいと思っています。