How oranges are produced

みかんが出来るまで

桃栗三年柿八年柚子の大馬鹿18年・・・

物事は一朝一夕にできるものではなく、実を結ぶまで忍耐強く待つことの大切さを果物に例えて詠まれたものです。
みかんをはじめとする柑橘類も、苗を植えてから早くて3年、ある程度の収穫量を得るまで5年以上の歳月を必要とします。
それゆえに慎重に品種の選定をし、大事に育てていく必要があります。

raising seedlings

最初の数年:育苗

柑橘類の育成は苗木を植えるところから始まります。
桃栗三年の続きに「みかんは10年経っても花すら咲かぬ」と詠われるように、種から育てるとあまりにも時間がかかるため、相性の良いカラタチなどに接ぎ木をした苗木を使用します。
品種の選定はその土地との相性や成熟期、つくり手の好みなどを考慮して選びます。
苗木を植え付けてから約3.4年間は、樹が健康的に大きく育つよう水や肥料を施し、病害に冒されないようタイミングを見計らって防除をしながら注意深く育てていきます。
これから数十年に渡って生産を続けていくための大事な育成期間となります。

during winter

冬:休眠期

人間が食事で栄養を補給するように、植物は土に含まれる栄養分を根から吸収するのですが、果実を収穫し畑から持ち出すことによって、徐々に土の中の養分が失われていきます。
そのため人の手で養分を補う施肥という作業を行うのですが、その養分を根から吸収させるためには、一度土の中に存在する微生物によって分解してもらう必要があります。
土をほぐし餌となる有機物を入れ、微生物が住みやすい環境を整えるのが土作りです。
これらはみかんの樹が活動を休んでいる冬の間に行われ、根が活動を始める春に備えます。

germination to flowering

春:発芽から開花

春になるとみかんの樹も新しい芽が吹き始めます。
畑は淡い緑の葉とたくさんの白い花で彩られ、町中が甘い香りに包まれます。
実りの秋に向けての手入れが本格的に始まる合図となります。
みかんには一年おきに豊作と不作を繰り返す隔年結果という性質があり、この花の数によって収穫量をある程度占うことが出来ます。
生産者はそれぞれ自分の求めるみかんを目指して工夫を凝らしながら管理に取り組みます。

Time of young fruit

初夏:幼果の頃

気温が高くなり雨の日が増えてくると新しい根がどんどんと伸び、地中の栄養と水分を吸い上げていきます。
それにつられるようにして小さな実も日に日に大きくなっていくのが分かります。
この小さな子供の果実は害虫やカビによる被害を受けやすい時期でもあります。
農薬を使った防除と適切な栄養補給のほか、まんべんなく陽の光が当たるように枝を整理したり、果実の数が適正になるよう間引いたりしながら、樹も果実も健康的に育つよう手入れをしていきます。

height of summer

盛夏:夏の日差し

梅雨が明けると本格的な夏がやってきます。
この時期は人と同じくみかんにとっても我慢の季節となりますが、同時に味を決める大事な時期でもあります。
美味しいみかん作りには日差しと少しの水分ストレスが有効と言われていて、日照りが続けば水やりをして負担を和らげると同時に、長雨や台風で雨を余分に吸い込まないように地面にシートを敷き詰めるなど、常に水分に気をつけていきます。
降水量の多い熊野地方では、夏以降の天候による影響を制御ことが美味しいみかん作りに必要な要素となっています。

Beginning of autumn

初秋:色づき始め

夏が終わり朝晩の気温が少しづつ下がり始めると、みかんの生育ステージが生長から成熟へと切り替わります。
光合成で作られた糖分が果実へと運ばれ、果皮の色が濃い緑が薄くなり徐々に黄色へ、そしてオレンジ色に染まり始めます。
ここまで来ると生産者に出来ることはあまり多くありません。
成熟や収穫のタイミングを判断するため園地を何度も巡回します。
果実の重みで下がってきた枝を吊り上げて日当たりと風通しを確保しながら、甘味や酸味のチエックをします。
新たな病害や台風や秋の長雨に見舞われないよう、祈る日々が続きます。

harvest season

実りの秋:いよいよ収穫

そしていよいよ収穫の秋を迎えます。
品種ごとに少しづつ違う成熟のタイミングに合わせて収穫していきます。
台風で傷ついたものや鳥に食べられたもの、あまり美味しく出来なかったものなど色々なみかんが出来ていますが、その中から色濃く熟した美味しそうなものを選んで一つ一つていねいに収穫していきます。
食べてくれる方々の喜ぶ姿を想像しながらの収穫は一年間の集大成です。そして最も大切で最も嬉しい時間です。

And then to the customer

そしてお客様の元へ

収穫して倉庫まで運ばれたみかんはそのまま一晩保管して果皮の余分な水分を蒸発させてから、注文を受けた分だけ箱詰めしていきます。
販売基準を満たしたものだけをさらに厳選しながら、傷みの元になる小さな傷も見逃さないように1つ1つ丁寧に箱の中に入れていきます。

こうして一年間の間手塩にかけて育てたみかんが皆様に送り出されていきます。

収穫カレンダー Harvest-information

北東農園では温州みかんを始めとして、さまざまな柑橘を栽培しています。
その中から園主が美味しいと思ったものだけを販売するようにしていますので、もしご興味がありましたら参考にしてみて下さい。