2023-03-08
諸々の作業や私用に追われて前回のブログ更新から少し時間が経ってしまいましたが、3月に入ってまずは「ブラッドオレンジ」の収穫を行いました。
いつもより仕上がりが早いかなと思ったのですが、調べてみると昨年もほぼ同時期の収穫となっていて、それまで3月中旬以降だった収穫期が2年連続で早くなっているということは、気候が影響しているのかなと思います。
Arancia Rossa di Sicilia ブラッドオレンジ「モロ」
イタリア南部シチリア島原産の赤いオレンジです。
この赤い色はブドウなどに多く含まれるポリフェノールの一種、アントシアニンによるもので、果汁を絞ると赤ワインのような色になります。
ヨーロッパでは古くからある定番のオレンジですが、日本ではジュースでしか目にすることのない馴染みの薄い柑橘でした。
以前にも(と言っても数十年前)果実の輸入が行われていた時期もありましたが、毒々しい色と「血みかん」と直訳されたネーミングのおかげであまり売れなかったという経緯があります。
その後’80年代後半のイタ飯ブーム(懐かしいw)の時は、検疫問題により生果の輸入制限が掛かっていた不運があって、なかなかメジャーになることのないオレンジでした。
最近になってこの輸入制限が解かれると同時に、昨今の温暖化に対応する新たな柑橘品種として、日本国内でのブラッドオレンジの栽培が始まっています。
愛媛県が産地化を目指して取り組んでいる他、温暖な地域で栽培が広がっているようです。
以前は「きしょい!、怖い!!」と敬遠された「血みかん」も、時代が変わり「Blood Orange」と名前を変え、「南ヨーロッパ」「ポリフェノール」「健康」のキーワードを散りばめながら、新たに売り出しを図っているところです。
北東農園でもこの流れに乗っているのでございますが、初めて現物を見た時にやはりオノノイてしまったことは事実です。w
日本で主に栽培されているブラッドオレンジには「モロ」と「タロッコ」の2種類があり、通常のオレンジに近い「タロッコ」が生食用として一般的です。
「モロ」は小玉ですが、果皮果肉ともに赤みが強く野苺を思わせるような酸味と芳醇な香りが特徴で、私本人がいたく気に入っている品種となっています。
2023年ブラッドオレンジ「モロ」の出来栄え
今年は着果数が少ない上にブラッドオレンジの特性である成熟期の自然落果も多数出たことで、昨年の約半分の収穫量となりました。さらに大きいサイズがほとんどなく小中玉中心の構成となっています。
まあ、一年おきに収穫量が増減する隔年結果や、サイズが小さいといったことは北東農園においては通常運転といえる(作り方がヘタという意味です)わけですが、
今年は「モロ」最大の特徴である果皮の赤みが薄いという現象が起きております。
この「着色しない」というのはブラッドオレンジではよく聞くことだったりします。でもなぜか当園では基本的にすべて赤くなっていたので(作り方が上手という意味ではありません)気にしたことはなかったのですが、今年初めてこの事象を見てちょっと狼狽しております。原因はおそらく天候や気温によるものと思われますが、はっきりとした原因は解明されていないようです。
ただ、中の果肉はちゃんと着色しているし味も変わりはないので、このまま箱に入れることにしました。
- 収穫量は約半分。
- 小玉中心。
- 果皮色は薄め。(着色していないものもあり)
- 糖度、酸味ともに例年並み。
全体的に見て外観に見劣りはありますが安定のお味となっています。「モロ」特有の酸味を少し強めに残して収穫していますので、芳醇な香りと野苺のような独特の酸味を楽しんでいただけると思います。ということで今年の食味レベルは
食味レベルについて
当農園では糖度測定器を備えていないため、糖度などの数値は明記していませんが、お買上げの目安としてその年の平均食味レベルを5段階で表しています。 レベル3を販売基準とし、それ以上に関しては区別しません。また、レベル2以下のものは販売いたしません。
※ あくまで当農園内での食味基準です。他農園や他品種との比較ではありません。
「2.7kg箱」のみの販売です。
本年度は収穫量が非常に少ない状況となっており、誠に勝手ではございますが「5kg箱」は取りやめ「2.7kg箱」のみの販売とさせていただきます。
少しでも多くの方々にお届けしたいと思っておりますので、何卒ご了承頂けますよう、よろしくお願い申し上げます。
短期間の販売となりますがこの機会にぜひお試しくださいませ。
詳しい説明やご注文はこちらからお願いします。(販売は終了しています。)
この後は3月中下旬に「不知火」、4月には「はるか」「レモネード」なども仕上がってくる予定ですので、こちらもどうぞよろしくお願いいたします。