2014.6.9
梅雨入り当初から結構な量の雨が降っています。さほど気温が上がっていないとはいえ、力仕事をしていると合羽の中が蒸し暑くなって、すぐに汗だくです。雨の濡れるのと同じくらい汗をかいているのだったら、合羽なんか着なくてもいいじゃないかと思いますが、それはそれでいろんなものがまとわりつく気持ち悪さがあって、やっぱり着てたほうがいいや。ということになるのですね。
天気予報では昨年より雨量が多く、それも一度にたくさん降るようなことを言っていたので、ちょっと急ぎ気味にマルチを敷いていきます。 マルチの説明はこちらで。
一般では梅雨の雨で果実の肥大をさせたあと、7月下旬頃からの作業なのですが、北東農園では強ストレスによる高糖度を目指しているので、いつも6月上旬頃から始めていきます。
仕上がりのサイズは少し小さめにはなりますが、隔年栽培のため、遊休年にしっかり溜め込んだ樹体養分によって果実は肥大します。その間に空からの水分供給を制限することで、果実は肥大しつつも、樹体に水分ストレスが掛かっていきます。それによって栄養成長から成熟への切り替えが早い時期に始まり、糖度をあげるのに必要な成熟期間を長く取ることができるのです。
一枚2m×20mのシートを風に飛ばされないようにパイプに止めていきます。オフシーズンには巻いた状態で株元に置いてあるのですが、その下にはいろんな虫たちが住み付いておりまして、それはもう愉快なものから不愉快なものまで・・・
なかでもあれです、湿ったところが大好きで塩をかけたら融けてしまう軟体のあれが・・・ ()´д`()
そのあれは雨の日に這い出てきてみかんをかじったりするので退治する必要があります。
専用の薬剤などもあるのですが、うちはこれです。
Coffeeです。正確にはIced Coffeeが入っています。
なぜアイスなのかというと、あっためる必要がないからです。
レギュラーコーヒーの出がらしを花壇に撒いておくとあれが寄り付かないというのを聞いたことがあるかと思いますが、同じことです。
畑中に出がらしを撒けるほどコーヒーを飲まないし、そもそもうちはインスタントだし。
ということで、水に良く溶けるインスタントアイスコーヒーを通常飲む倍数で、噴霧器を使ってシートの裏の株に近い所にかけておきます。
ネタ元のネイチャー誌によると、成分のカフェインがあれの神経に影響するようです。しかも他の虫や植物に対しては影響を与えず、そもそも食品なので農薬ですらない。というのが大変気に入っております。おまけに10a当たりのコストが数百円というのがありがたい。
肝心の効果のほどに関しては、昨年から使い始めたところなのでまだはっきりとしませんが、被害は確実に減っているようでした。
ただ、昨年は雨が少なく、あれが生存し難い環境であったのは確かなので、もう少し様子を見る必要はあります。
コーヒーの香りに包まれて一日中仕事をするのはなんだか喫茶店のマスターになった気がしていい気分です。
でも、長い時間包まれすぎたおかげで、食事のあとの一杯はコーヒーから紅茶に変わりました。
喫茶店のマスターになるのははちょっと無理みたいです。