2026-08-26
熊野では花火が終わると夏の終わりが始まります。ちょっと前までのねっとりとしたまとわりつくような空気が、肌を刺すような尖った日差しに変わり、朝晩には涼しさも感じるようになってきました。
ここ数年、最高気温が40℃近くになるのが当たり前だったことを思うと、今年の夏はさほど暑くなかったなという印象です。
他の地方からはそんなハズない!と言われそうですが、35℃を超える日が数日しかなく、特に海岸線に近い所では海の方から涼しい風が吹き続けていたおかげで、サウナの中に閉じ込められたような絶望さはほとんど感じることはなかったですね。実際にみかんの「日焼け果」がほとんど出なかったことにも現れています。
柑橘類の日焼けというのは暑さと強い日差しによって外皮の温度が上がってしまい組織が壊れてしまう症状で、気温が35℃を超えるようになった頃から問題視されるようになってきました。
南側上部の果実がほとんど日焼けて大量廃棄なんて年もあったので、気温が少し違うだけで全体の出来栄えが変わってしまうのが農業の怖いところだなと思うわけです。
チュッパチャプスみたいな真上を向いた果実(天なり果)が少し黄色くなっている程度です。もともと美味しくない天なり果は摘果する予定なので、実質日焼け被害は無しということになります。
心配事が一つ減って嬉しい気持ちで次の作業に入っていきたいところですが、マルチシートを敷いているみかんの萎れが再び始まり、さらにひどくなってきました。
先週の雨でちょっと安心してしまい、潅水の間隔を空けてしまったのがまずかったみたいです。
シートを敷いているとはいえ、ある程度の雨量があると幹を伝って株元から水が流れ込むわけで、雨が上がったあと「裂果」が無かった時点であまり水が入らなかったのだと気づくべきだったのですね。
「裂果」というのは、干ばつが続いたあと一度に大量の水を吸い込むことで果肉だけが一気に成長してしまい、外皮が裂ける現象のことをいいます。当然廃棄処分となります。
「裂果がない」→「腕を上げたな俺!」っていう思考になってしまったわけで、「土がすぐに乾いた」「葉っぱが萎れたまま」をちゃんと見ていなかったアタシの完全なミスであります。
裂果だけなら「もったいないなぁ。」で済みますが、樹全体が萎れてしまった場合、修復するには水分と栄養分補給を続けるしかなく、つまりは今年の味を捨てることになります。
そんなことができるはずもないので、ひたすら現状維持に努めることになるわけですが。
10月頃から収獲される「極早生みかん」はこれから成熟期に入ります。この時期に大量の水が入ると味が落ちてしまうので、マルチシートで雨水を防ぎつつ潅水で生育と食味のバランスを取っていくわけですが、ここまで来ると綱渡り中にバランス棒を取り落とし両手振り回しながらダンスしている状態です。
今からできることといえば灌水量を少し増やしつつ回数も少し増やしつつ、あとはひたすら実をちぎり落として樹の負担を減らすだけです。
一年に一度しか作ることの出来ない作物なので、過去の栽験から翌作の栽培方法を決めていくのですが、改善されたことも有りぃの新たな問題が出て来ぃのの積み重ねの連続です。
肥料が足りなかったかな。
もうちょっと灌水量を増やした方が良かったな。
水やりの回数…
天気予報が…
なんでこんな…
ほんの1ヶ月前「今年は雨が多くて大玉必至です!」とか言うてたのに。。
原因はこれです。↑
7月上旬の梅雨明けまでは肥大が進み過ぎていて樹勢も強過ぎた上に、例年ほど気温も高くなく樹への負荷が足りないのではないかと思ったのですね。そこで潅水を遅らせ回数も減らしたことが後になって影響が出てきたということです。
え~、何年か前にもあったよねこんなこと。。。
学んだことをすぐに忘れる鶏頭をぽこぽこ叩いても乾いた音が出るだけです。
諦めるわけにもいかないのでちぎってちぎってちぎり倒してまいります。
弱った樹の萎れた枝の極端に小さなものや綺麗じゃないものを中心にちぎり落としていきます。
あとの掃除を省略するために一輪車に放り込みながら進んでいきます。
水管理がちゃんとできていればこれらがすべてお金に変わったはずなのに…とか考えながら余計な手間に時間を使っていると、大して暑くもないのにめまいがしてきます。
ちなみに収穫期の遅い「早生みかん」や「中生みかん」は元々の樹勢が強いため今のところ元気に過ごしております。