2015年12月23日(水)
ちょっとさかのぼりますが、20日の市場出荷をもって、2015年度産温州みかんが全て終了しました。
お買い上げいただいたすべての皆様に感謝を申し上げます。
今年の天候についていうと、なにが正常でなにが異常か分からなくなって、もはや異常気象なんていう言葉がほとんど死語になっておりますね。
そのせいかどうか分からないけれど、熟期が2週間以上遅れで「極早生みかん」から始まった今年のみかんシーズンは、なぜだか分からないけど締めくくりの「いしじ中生」が良好な着色のおかげで例年より早く収穫を終えるという不思議。
しかし「いしじ中生」、これがなぜだか外観の不具合が激しくて
↑ これを業界用語で「キズだらけでちょー汚い」と表現します。
キズと言っても切る打つ殴るの体表組織への物理的な損傷ではなく、洗って落ちるような汚れた状態でもなく「カンキツ黒点病」といわれる症状です。
春から秋にかけて湿度が高い日が続くと枯れ枝などにカビ菌が発生し、それが増殖して飛散したものが果実に付着して起きる病気です。
柑橘類の中では最も一般的な病害の一種で、通常は園地内の日当たりや風通しをよくした上で、菌の増殖期のタイミングに合わせた殺菌剤散布で抑えます。
まさかの防除忘れ?と最初思ったのですが、他品種の間に囲まれている「いしじ中生」だけ忘れるはずもなく、「早生みかん」以降の品種に関しては他の生産者のところにも多発していたようなので、天候が主原因であろうと思われます。
有効手段である殺菌剤散布といっても、菌による病害というのは治療ではなく予防が原則なので症状が出た時はすでに時遅く、さらに長雨に晒されていては予防措置すら取れる状況ではなかったのですね。
ただ悪いのは外観だけで味に関していうと、逆にマルチシートを敷いていない露地栽培で雨の多い条件下でよく頑張ったなあという印象です。
しかし無傷が1こも無いというのはショック大きいです。ひょっとして上手な無農薬栽培よりも汚いかも。
そんなことで毎年お買い上げいただいているお客様には実物を持って行って説明したり、画像を送って判断してもらったりしたのですが、
「自家用なので気にしない。」とか「贈答用なのでヤメとくわ。」などの返事をいただくなか、これだけ外観に不具合があるのならば値段が安いのかというと、この時期にきてみかんの流通量が足りない状況だそうで、相場価格が昨年と同じという・・・
生産者としてはありがたいけれどお客様には申し訳ない・・・・・
ありがとうございます m(_ _)m
市場価格に関していうと、成果が報われるか否かはその時の流通状況が大きく作用するわけですが、お客様への販売価格という点でいえば、値段に見合った品質であるかというのが最も大事なはずで、農産物ということに甘えがなかったのかどうか、しっかりと検証する必要があります。