2016年5月4日(水)
夕方から降りだした雨は今朝早くに上がっていました。
大荒れの天気予報は幸い当たらなかったのですが、先程から強い風が吹いていて、満開を過ぎたみかんの花びらが雨に打たれ風に飛ばされ、そして自家用車にびっちりとくっついております。
良し悪し。
満開を過ぎたみかんの花びらはカビの温床となり果皮障害の「灰色かび病」を誘発するため、役目を終えたあと速やかに落ちるのが望ましい。
そのためこのタイミングでの雨風は都合が良かったりするのですが、逆にその強い風により枝葉が擦れて、まだ柔らかい幼果を傷付けることになります。
この幼果期に受けたキズは大人になっても消えることのないトラウマ傷として残り、その後の人生販売価格に影響してしまいます。精神鍛錬や防除では防ぐことが出来ないのでこれはまあ諦めるしかないのですね。
満開期の防除
満開期の防除は、病害と害虫から幼果を守るためにおこないます
みかんの病害というのはそのほとんどがカビと細菌によるもので、気温が上がり湿気の増えるこれからの季節は常に気をつけている必要があります。
先ほど書いた「灰色かび病」に対しては、風で花びらが落ちるとはいえ全部ではないし、同時期に発生する「黒点病」の予防も兼ねているので、この時期の殺菌剤は必須となっています。
また、花の蜜を求めていろんな虫たちも集まってきます。その中には「訪花害虫」(みかんの場合、「コアオハナムグリ」と「ヒメヒラタケシキスイ」の2種)と呼ばれるものがあり、それに対して殺虫剤での防除も行われます。
この殺虫剤の使用については、みかんにとって無害な虫たちにも影響をおよぼすわけで、いつも矛盾と葛藤に悩まされるのですが、なぜだか今年はこの訪花害虫がほとんど見当たらないので使用せず。
雨後の散布作業は、枝葉に水滴が付いたままだと薬剤濃度が薄くなったり、雫と一緒に落ちてしまうと効果が低下するので、樹がしっかり乾いてからおこないます。
風が吹いたおかげで午前中に防除作業を始めることができました。実際のところカビ菌の蔓延防止に関しては、降雨のあと風や日光で速やかに乾くのが一番効果的なのですね。
地形にも左右されることなんだけど、日光や風通しを良くするための剪定や土作りで対応できる部分も多くあり、薬剤防除の前に耕的防除をしっかりやっておくことが大事なのです。