2017年8月10日(木)
さいわいこの北東農園では台風5号の被害はほとんどなく、雨よけに敷かれたマルチシートの一部が風でめくれた程度で済みました。
今は8月なので「台風一過の秋晴れ。」とはもちろんならず、一夜明ければ今年一番じゃないかと思うくらいの暑さと、クマゼミの大合唱をBGMにした真夏の青空の下、めくれたシートを開放して湿った土を乾かしております。
これだけ気温が上がり空気が乾いてくると、土からもみかんからも水分が一気に蒸発していくのが分かります。
台風の通過中は一日中家に閉じこもりテレビを見ながら飲んだくれていた私とともに、みかんの樹はみるみるうちにしおれていくわけですが、夕方になり気温が下がればみかんは生気を取り戻し、私はビールで人格を取り戻します。
とりあえずシートの手当をした後は、前回から10日ほど経っている葉面散布をおこないます。
葉面散布。
葉面散布というのは、作物に必要な養分が根から吸い上げるだけでは足りなかったり、樹体内での移動が少ない成分を補うためにおこないます。
みかんの場合は、幼果期から収穫前にかけて果実内のカルシウムが不足しがちとなるため、水溶性のカルシウムで補っていきます。
希釈倍数や使用量については、濃い濃度で一度に多くやれば良く効くというものではなく、生育期間中の効用を切らさないことが大切で、少し薄めで散布回数を多くこなしていきます。吸収しきれない分はムダであるというのは人間の養分摂取と同じですね。
防除時に混ぜたり、間隔が開く場合には単体でもおこないます。農薬防除に関しては7月中旬で今期分は一応終了しているので、それ以降はカルシウムとアミノ酸を10日間隔で葉面散布しております。
ちなみに肥料養分を散布する場合は「葉面散布」といい、1剤でも農薬が入れば「防除」となります。
農薬と違って、カルシウム、アミノ酸の両資材とも身体に浴びても害はないと考えられるものであり、合羽を着た作業中に起こり易くなる熱中症リスクを避けるため、作業着のままで散布しております。
どちらにしてもビショビショになるのはおんなじです。
特に今使っているカルシウム剤については、高級育毛剤に含まれる成分と同じものが含まれているらしく、脱帽での作業もちょっとだけ考えてみたりしました。