農家のサマータイム。

農家のサマータイム。

2025-07-08

暑い暑いと言いながらもそこはまだ7月の上旬、日中の最高気温でも32℃ほどなのでまだ夏も序の口といったところでしょうか。しかし35℃を超えてこないと本当の夏が来た気がしないというのもなんだかなぁという感じです。

慣れって怖いなぁ。

梅雨明けが早かったおかげで序の口なのにすでによれ始めている園主とみかんの樹。みかんがよれ始めるには早過ぎる。せめて8月上旬頃までは元気いっぱいでいてくれないと収穫まで持たないということで、元気を保つために水やりや葉面散布などの作業をどんどんと行なっていきます。

ただ気温の高い日中に水やりや散布作業を行うと水温が上がって根を痛め、葉に付いた液体肥料が急速に乾いて濃度障害を起こし、自分の体力も削がれるので、早朝もしくは夕方に行うようにしています。

いつもより早い時間から活動を開始して、昼間に長い休息を取って気温が下がり始めた頃また畑に出ていくというスケジュールです。

日差しを有効活用するサマータイム制度とは別物の、日差しを避ける「農家のサマータイム」ですね。少しでも体力を温存して共に夏を乗り越え収穫の秋に向かって進んでいくのです。

日差しを遮れないみかんにはとりあえず頑張ってもらうとして、人様においては熱中症の対策を怠りなく、大量の水、薄めたスポーツドリンク、塩タブレット、甘いお菓子、ビールは入れずに緊急用の経口補水液をクーラーボックスに入れて持ち運び頻繁に休息を取ります。ちょっとしたピクニックみたいになりますがこれが命綱です。

ひとりの仕事なので畑で倒れるようなことがあってはならんのです。家族が「そういえば一人足らんくない?」ことに気づくまで3日くらいかかるはずなので我が身はちゃんと守る必要があります。

冷たい飲み物を持ってみかんの木陰に潜り込めばもはや気分は楽しいピクニックです。パラソル付きのテーブルがあればもっと良いかも知れません。

ピクニックの経験がないので少しコンプレックスがあるのかも知れません。

それでも毎日の作業によって少しづつ熱と疲れが体に溜まってくるため、昼休みを長めに取って、シャワーを浴びて部屋着に着替えてエアコンの効いた部屋で昼寝して体力の回復を図ります。

サマータイムと聞く度にしゃがれたジャニスの声が流れてくるほどにはおじさんなので体力の維持には気を使います。トータルの作業時間を確保しつつ作物と自分の両方を守るのです。昼間の長い休み時間はちょっと贅沢な気分になります。でも昼寝2時間はちょっと長いかなとは思いますが。

今年はいつもより長い夏になりそうなので、みかんにしても人間にしてもより一層慎重になる必要がありそうです。

最近やたらとスズメが群がってきます。と言っても私にではなくみかんの樹にですけど、どうやら樹に登っているウスカワマイマイという小さなカタツムリを食べているようです。
スズメは産卵時期が近づくとカルシウムを補給するためにカタツムリを食べる習性があるようです。ありがたいです。遠慮せずに全部食べていって欲しいです。

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