2025-03-01
先日の「不知火」に続き春収穫の中晩柑生育状況の報告です。もはや3月ですが2月末時点での状況を報告いたします。
「はるか」
鮮やかなレモン色の柑橘ですが、酸味がほとんどというかまったくなく、甘さも他の柑橘とは異なる糖分で構成されているちょっと変わった品種です。
果皮が固いため他の品種よりは鳥の被害は少ないのですが、それでも食べるものがないとなると集まってきてしまうので、やはりサンテを被せておきます。鳥害予防と同時に果皮からの水分蒸散を抑える効果もあってか、使い出してから果皮障害が減ったような気がします。
今年は例年より少し小さめに仕上がりそうです。「はるか」は大きさで味が変わるということもなく、食味が安定しているので選別の苦労が少なくて喜ばしいです。ただ、じょうのう(中袋)が薄い小玉の方が食べやすいかなと思います。
味の方も今のところは例年並み。酸味がないため既に食べられる状態ではありますが、これから暖かくなるにつれ甘みが増してくるので「もうこれくらいでエエのではないのか?」と「これ以上樹に置いておくと痛みが出そうだ。」が収穫のタイミングとなります。4月中下旬頃になるかと思います。
収穫量も例年並みを確保できそうです。あまりたくさん作ってない品種ですが、この見た目と食べづらさからいまいち人気の出ない品種なので、余裕を持った販売ができそうです。美味しいので買ってください!
「レモネード」
そのまま食べられるレモンです。正式な名称がなく「レモン・レモネード」とか「スイート・レモネード」などとも呼ばれています。レモンなのに食べられるし名前もはっきりしないという謎の品種です。
こちらは服は着せておりません。一応レモンということなので鳥の食害がないのですね。先の「はるか」は被害を受けるところを見ると、ヒヨドリは果皮の色で食べられるかどうかを認識しているわけではなさそうです。ひょっとして名前に「レモン」と付けたら食べられないのかもしれません。
まあ、食べたところで「美味しくな~い!」ってなったのだとは思いますが。
味に関しては甘さより食べた時の気持ち良さを味わう柑橘なので、美味しいからみんな買ってね!とアピールはいたしませんが、毎年お買い上げいただいたりお問い合わせもいただいたりして、少しづつお客さんが増えてきいるといった状況です。
昨年は手入れが足りなくて超が付くほどの不作となってしまい、販売中止させていただきましたが、今年は一転大豊作です。
レモンというのはこんなに隔年結果するものなのか!と。今年は売り物がたくさんあって嬉しいな!と。来年はどうなるのかな?と。鈴なりのレモンをぼんやりと眺めている間に、その重さで結構な太さの枝が数本折れてしまいました。
摘果不足ですね。結局今年も手入れが行き届かなかったということになってしまいました。
でもまあ、まだたくさん残っているし今年は大丈夫かなと。来年心配だけど。。
この「レモネード」に関しては作り方の手引というものがなく、毎年起こる事象に対処しながら自分で手引書を作っていく必要があるのですね。
元々柑橘栽培の基礎知識が足りてないうえに作り始めてまだ10年ほどしか経っていないので、レモンに教えてもらいながらもっと積み重ねが必要です。
不測の事態に備えるためにももう少し増殖をする必要があります。いろんな必要に迫られておりますが、できることをコツコツとやっていくしかないのでとりあえず頑張ります。
現状報告が決意表明みたいになってしまいました。
肝心のお味の方ですが、たいして甘くなる品種ではないので例年通りの仕上がりと言っていいかと思います。サイズ的には着果数が多いため小玉傾向となっています。
もうしばらく樹上に置いて、その間試食を繰り返しながら「美味しくなった!」と判断した時点で収穫をします。おそらく4月の下旬頃になるかと思います。
4月収穫予定の「はるか」と「レモネード」の2品種の収穫が終わると北東農園の2024年シーズンが終了となります。あとひと踏ん張りです。
お待ちいただいている皆様にきちんとお届けできるよう、最後まで気を抜かないように努めてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。