みかんの生育状況2022年6月

みかんの生育状況2021年7月

2022-06-25


ほぼ例年通りに梅雨に入って約一週間、ここまで順調な梅雨具合を見せていた今年の梅雨ですが、天気予報の傘マークの間を縫うようにして防除をしたのを合図に、それまで10個くらい並んでいた傘マークが次々とお日様マークに裏返っていくという現象が起きております。

部屋干しの洗濯物やお風呂場やみかん畑がカビにくくなるというのは有り難いことではあるのですが、梅雨は梅雨らしく適度な雨が農産物が正しく育てるのであるからして、やはりちゃんと雨は降っていただかなければ困るのですね。

みかんについては後3ヶ月ほどで極早生みかんが収穫を迎える予定となっていて、天気によって品質が決まる大事な時期に入ってきましたが、まあ、最近の天気予報は下手くそ同士のオセロゲームみたいにコロコロとよく裏返っているので、あまり心配することなく粛々と作業をこなしていきたいと思っている次第です。
今のところ作業自体は少し遅れ気味ながら、生育全般としては順調に来ている感じです

ということで、現在の品種別の生育状況をご紹介です。

極早生みかん(日南1号):横経30mm前後

温州みかんは品種に関わらずだいたいこんな感じの生育となっています。
着果状況としては「極早生みかん」は少なめで「早生みかん」「中生みかん」は例年より少し多めかなといった感じです。
幼果の時期は丸い形をしていますが、大きくなるににつれ扁平になっていきます。

断面はこんな感じです。緑色の外果皮(フラベトといいます)は固くてザラザラしています。じょうのう(中袋)やさじょう(その中のつぶつぶ)はすでに形は出来上がっています。
その間にある白い部分は中果皮(アルベト)と言いまして、栄養分を果肉に送る導管の役目をしています。今は分厚いですが、果実が大きくなるに従い薄くなってきて、やがてみかんの皮を剥いた時にじょうのうにくっついてくる白い筋になります。ちなみにじょうのうの数が多いほど美味しいと言うのを聞いたことがありますが、調べたことがないのでよく分かりません。

今のところは絞ってもまだ果汁は出て来ず、果肉はポソポソで味がなく食感は悪いです。
絞って果汁が出てくる時期を「水入り」と言い、その時期が早いほど美味しくなると言われていますが、確かめたことはありません。

これから梅雨後半の雨を受けながら生長を続け、その後の夏場に水分ストレスを掛けて糖度を上げつつ、最終的には横経で約2倍ほどの大きさに仕上げていきます。

不知火:横経25mm前後

みかんと比べると少し大きめのハズなのですが、昨年からあまり樹の状態が良くなく例年より小さめです。それでも果皮の粗さやデコなどの特徴が出ていて、ひと目で不知火だと分かります。
着果も少なめで、いわゆる裏年と呼ばれる状態です。供給面を考えると不安がよぎりますが、今さらどうしようもないので不良品のロスを出さないように丁寧に丁寧に。
群状に着果するみかんと違って、枝先に1個づつ成るように管理して大きく育てます。

ピンぼけ^^;
みかんに比べてさらに果皮が分厚いです。絞ることすらままなりません。
そしてみかんと違い夏場も水分を必要とする品種なので、土の乾燥を防ぐために草を生やしてさらに灌水もしっかりやって大きく育てていきます。
特に空梅雨が予想される場合は気をつけないといけません。

ブラッドオレンジ(モロ):横経20mm前後

こちらは昨年の表年から一転、着果が少ないです。
5月上旬の時点では花が多く咲いていたので「お、今年もそこそこあるやん(^o^)」と安心していたら、多くが落花して実にならず(T_T)。
原因は天候によるもの(らしい)ですが、落花を予想させるような樹勢(樹の健康状態)には見えなかったので、どう対策を取って良いものか検討がつかないのは困ったものです。

こちらはみかんと違って小さいうちはレモンのように長細く、大きくなるにつれ丸くなっていきます。
アルベトの極めが細かく美しいです。
ちなみに葉っぱに白っぽい斑点がついていますが、これは先日散布したカビ予防の殺菌剤です。

はるか:横経25mm前後

果頂部のリング模様がすでに出来ているのでひと目で「はるか」と分かります。
着果量は少なめです。例年より収穫が2週間ほど遅くなってしまい樹勢が落ちているので、別メニューで元気付けを行っていきます。

収穫時期が遅い品種なので果肉部分がまだ小さいです。切り口が汚いのは剪定ばさみで切っているからで、写真撮るならもうちょっと気ぃ使えよという話しです。笑

レモネード:横経20mm前後

こちらもひと目でレモンと分かります。通常のレモンよりは少しずんぐりとしていますが、これもすでにレモネードの特徴が出ていると言えます。
そしてこれまた着果量少なめです。販売に不安しかありません。。

すでに種が入っています。
他の柑橘と違ってレモン系統はやたらと樹が大きくなったり、花の時期が2回あったり、収穫時期の判断とか、何かと分からない部分が多いのでもっと勉強が必要です。

全体的には収穫量少なめはほぼ確定、味についてはまだ予想すら出来ないといった状況です。今から収穫量を増やすのはムリがあるとしても、味についてはなんとか着地地点に降り立てるようやるべきことをしっかりとやって、お客さんに満足していただけるようしっかりと気張っていきたいと思います。

見上げると夏空が広がっております。

まだ6月です。そんなに急がないでも大丈夫なので、冷静に梅雨のことを思い出していただきたいです。(誰に言っているのだ?)