2025-02-27
今回は「不知火」の生育状況を報告いたします。ブラッドオレンジにつきましては前回の記事「ブラッドオレンジの生育状況-2025年2月-」を御覧くださいませ。
「不知火」
「デコポン」の名前でおなじみの「不知火」です。「デコポン」はJAに出荷された不知火の中で一定の基準をクリアしたものに付けられるブランド名なので、JAに出荷していない当園ではすべて「不知火」となります。
ちなみに「不知火」には「しらぬい」「シラヌヒ」両方の表記があり、どちらが正しいのか知らぬいのですが「シラヌヒ」と書いても読む時は「しらぬい」になると思うので、当園では「しらぬい」としています。
果実一つ一つに袋を被せて鳥からの被害を防ぎます。昨年まで使っていた「サンテ」を紙袋(防水仕様)に変えたことで鳥害だけでなく雨もしのげるようになりました。デコの部分に雨が溜まって腐り落ちる水腐れ被害が減るのではないかと期待しています。
袋の中はこんな感じです。調子良さげです。最初から袋にしとけば良かったと思うくらい調子良さげです。
なぜ最初からしなかったのかというと、包む時の手間とか外した後の手入れや保管が面倒くさそうだったからですね。
収穫量は相変わらず少ないです。元々「不知火」は樹勢(樹の健康状態)が弱りやすい品種なのですが、樹の高齢化が進むにつれさらに足腰の衰えが激しくなってしまい、今や全盛期だった20年前の半分以下に落ち込んでおります。
10aあたり1tに満たない収穫量ではもはや経済的に成り立たないのは火を見るより明らか。もう止めてしまったほうが良いのではないかと思うこと度々ですが、お客さんからの要望もあるし何より美味しい「不知火」は本当に美味しいのでなんとかしてモノにしたいという気持ちも強くあり。
でも樹を見るたびに「なんで株間1mやねん!」「なんで樹高が3mもあるねん!!」「押したら倒れたやないの!!!」から「やっぱりムリかもしれん…」とか思ったりもしますが、いざ試食をしてみると「やっぱり美味しいのもある」「のもあるを取り除ければみんな喜ぶ!」から「とりあえず植え替えればなんとかなるかも!!」となってきております。
とりあえず植え替えます。
でも温州みかんが最優先なのでもう少し後になります。
それまでは現存の樹をあれこれ試しながら美味しいものが出来るように腕を磨いておきます。それまでは売ったり売らなかったりが続きますが、なにとぞご容赦をいただきたいと願うのでございます。
肝心のお味の方ですが、例年並みの甘さは出ていますが酸味も例年通り強いため、もうしばらく様子を見ていきます。
これから気温が高くなり雨の日も増えてくるため落果の不安も日を追うごとに増してきますが、とにかく酸味が抜けて美味しいと感じられるまで樹上で置いておきます。ちなみに昨年は3月下旬から収穫を始めていて、おそらく今年も同じ頃になるかと思います。
ということで落果と試食で量がどんどん減っていく中、今年も販売中止となる可能性を十二分に含みつつ、お知らせできる日を待つといった状況です。
次回は「はるか」と「レモネード」の現状報告をさせていただきます。