市場からの使者。

2016.9.2日南2

2016年9月6日(火)


9月に入って北東農園では「極早生みかん」の栽培管理が仕上げ段階に入っています。という話を前回のブログで書いたばかりですが、市場ではすでに出荷が始まっているのだということを知り、すごく驚いた。というのが本日のブログ内容です。

ツクツクボウシが夏の終わりを告げる頃、出荷先の市場からセリ人が刺殺に視察にやって来ます。「どうですか今年は?」から始まる毎年恒例のツクツク視察です。

果樹園の中で人を探すというのはなかなか難しいもので、昔は「ほくとーすわぁ~ん!!」とか、「うえ~~い!!!」とか、ツクツクボウシとは似ても似つかぬ濁った声で来訪を伝えておびき寄せるという方法だったのですが、移動体電話の普及した現代では、「もしもし、どこにおりますか?」「あーここここ、青虫の這ってる大きな石の横。」とか言えるので大変便利です。

情報交換。

この時はみかんの市況や他の生産者の情報を得る貴重な機会であり、また普段家族以外の人と話すことが少ないため、コミュニケーション能力が衰えていないかを確認する機会でもあります。

セリ人M氏には数年前から担当してもらっていて、市場に仕入れに来る仲買人や小売店の人達に伝えてもらいたい有益な情報だけを言葉を選んで説明しながら、試食には一番美味しそうなみかんをさり気なく渡しつつ、園地を案内していきます。

私:「・・・ということで出荷は例年通り、10月に入ってからになると思います。」

M氏:「分かりました。そう伝えておきます。」

私:「他の人達は9月中旬くらいから?」

M氏:「もう出てきてますねん。笑 」

私:「ゲゲェ~~!?」

超極早生みかん。

温州みかんの中で最も早い時期に収穫される「極早生みかん」ですが、特に9月に出回るものは「青切り」や「早採り」といって、果皮のまだ青い状態で収穫されます。

ちなみに8月の沖縄産が最も早く、宮崎県産と我が三重県(南部)産がそれに続きます。県推奨品にも選ばれていて、JA三重南紀では、超極早生品種「みえの一番星」というブランド名で関東や中京圏に向けて出荷されています。。

極早い上にいつのまにやら「超」までついています。

JAへの出荷については出荷期間が設けられていて、生産者はそれに合わせて収穫をしていきます。今年も例年通り9月中旬頃となっているようです。

また、JAへの出荷とは別に市場への出荷という方法があります(北東農園はこちらの方法です)。こちらは個人的な取引なので自由出荷となっていて、需要があり採算がとれれば問題はないのですが、しかし8月下旬とはびっくりです。超にも程があります。

「そんなに早くから出していたらシーズン本番を迎える頃には品切れを起こすのではないの?美味しいの?酸っぱくないの?」と聞くと、

酸味の方は、そりゃあ超極早生だからそれなりなんだけど、この地方では梅雨明け後の夏場に雨が少なかったおかげで、全体的にみかんの味が良いものが多く、市場ではそこそこの値段で取引されているらしい。

そしてJA出荷では安値取引となる2Sなどの小玉サイズを、先に地元の市場に出しておこうという出荷テクニックが働いているのですね。

んで、「青切りみかん」を好きな人がそんなにたくさんいるのかなあ。と思える量が毎日セリ場に並んでいるらしい。

近くに捨ててある摘果みかんをチラッと眺めて、そしてM氏の顔を見てニコッと笑ってみた。

気づかないフリをしながらも一瞬警戒したM氏。

いやいや出しませんよ。ここに捨ててあるのは基準に満たないものだし、ちっちゃ過ぎるし、そもそも捨ててるんじゃなくて土に返すのです。

( ̄ー ̄)

まあ、極早生みかんは、今まさに成熟期に入ったところで、日が経つごとに糖度がどんどん上がっていく時期なのですね。
完熟での収穫を基本としている北東農園としては、青いうちに収穫してしまうのはもったいないことだなあ、と思ってしまうのです。