2025-01-15
寒波や雪のニュースが流れるなか恐縮ですが初氷です。厚さ2mmほどです。寒くて仕事を休みにしようかと思いましたが頑張ります。
先月から続けていた袋掛け作業がやっと終わりました。果実一つ一つに袋やサンテ(ストッキングのようなもの)を被せるのでなかなか時間のかかる作業ではありますが、これをやっておかないと鳥に全部食べられてしまうので面倒くさいですがやらざるを得ません。
この時期は園地整備や樹の手入れに時間を割かないといけない時期でもあるので、この袋掛け作業がネックになって不知火やブラッドオレンジなどの春柑橘の増殖になかなか踏み切れないでいます。
せめて小玉で個数の多いブラッドオレンジだけでも樹や区画全部を覆う防鳥ネットとかに変えていかないとだめだなぁ。でもお金かかりそうだなぁ。その前にデカくなり過ぎた樹を小さくしとかないといけなさそうだなぁ。問題だなぁ。とか考えているうちに今年も作業が終わってしまったなぁ。終わったらすぐに問題を忘れてしまうんだよなぁ。。
まあそんなことより今年のブラッドオレンジがこの時期になっても色がついてこないのが新たな問題に。
ほぼ同じ時期に撮った写真ですが、今年は「モロ」特有の赤みが全然出ていません。大問題です。
直射の当たらない北向きの部分も着色していないので、今回のは夏の直射の影響による着色不良でもなさそうです。
なんか作り方間違えた?
いや、たぶんそんなことはないはず。。
ブラッドオレンジ、環境によっては着色しない場合もあるらしくひょっとしてそれなのか?このまま色が出なかったらどうしようとか思いながら…
今年は全般的に柑橘類の生育が遅い傾向にあるので、このまま3月まで待っていれば大丈夫かもしれないと呑気に構えてはいるのですがどうなんでしょう。
いつもは収穫前にサンテを外すと現れる真っ赤な果実群に「うわっ!」ってなるのですが、このまま色づいていない果実群が現れて「うわっ!」ってなるかもしれません。はたしてどっちの「うわっ!」が待っているのでしょうか。
温暖化による。
今回の着色問題の他にも日焼けや浮皮などの問題は気候による影響が大きく、それが年々強く出てきているように思います。
地球温暖化によりこのままだと日本の柑橘の栽培適地が西日本から東日本に移っていくであろうという試算も出ています。
今年は全国的にみかんが(みかん以外の多くの農産物も)大不作だったわけですが、原因の多くはこの異常気象によるものです。夏場の高温と渇水、秋になっても下がらない気温。それに伴い病虫害による被害も多く発生しました。
これらに対応出来ないと本当にみかんが作れなくなるのではないだろうかというのを強く実感した年でした。
このブラッドオレンジもヨーロッパ南部の比較的気温の高い地域原産ということで、暑さに強いというのが導入理由の一つでした。でしたが蓋を開けてみれば日焼けを始めとした様々な問題が続出です。結局ほかの品種と変わらんやんということになっております。
1本の樹で長年生産を続ける柑橘類は、前年の天候も生育に影響してきます。その影響が蓄積して例年通り作るのがどんどん難しくなっていきます。
とはいえ畑ごと長野県とかに引っ越すわけにもいかないわけで、まあ、よくよく考えてみれば温暖化で平均気温が2℃上がったとしても冬はちゃんと寒いわけで、-5℃の世界で気楽にみかんが作れるとは到底思えないわけで。
実際は引っ越しよりも高温への対策をしっかりと取っていく方が実際的ではありますね。
じゃあどうする?
どうする?ったって私ごときに分かるわけなく、、
「温暖化対策の決定打!」みたいな肥料や薬剤の広告を見ては試しに使ってみたりするわけですが、全然決定打にはならず空振り続き。
農水省からも「気候変動適応ガイドみかん編」なるものが出ていてますが、現場でずっと取り組んでいることが長々と書かれているだけで。。
結局
「これまでの経験を元にして、より一層丁寧な栽培を心がけましょう。」
だそうです。
「がんばれよ!」
的なw
まあがんばりますけどね。