2015年2月12日(木)
20年ぶりにマンガ本を買いました。(^.^)
主人公が老眼鏡を掛けて書類に目を通しているところに歳月を感じます。
前回の続き。
みかんの樹は隔年結果性が強く、それを改善して連年生産のために剪定をする。というようなことを前回のブログで書いたわけですが、この隔年結果については、気候や土壌そして肥料などの条件によっても大きく変わってくるので、実際は剪定だけで解決できるものではないのです。
隔年結果の解決策。
果実を生産することで樹勢が弱り、隔年結果を招くというのなら、単純に施肥量を増やせば解決します。
花を咲かせて実を作り、さらに枝葉になる芽も出るくらいに肥料をあげれば良いのです。
水もたっぷりあげてストレスが掛からないように大事に手入れをすれば、みかんの樹は連年生産してくれます。
味のことを気にしなければこれで解決です。
はい、もちろんそんなわけにはいきません。
みかんが美味しくなるためには春に施した肥料分(おもに窒素)が夏場に枯渇することで成熟へのスイッチが入り、糖の生成が活発化するというプロセスを踏みます。
窒素が過剰にあると、そのぶんスイッチの入りが遅れてしまい、糖分量が少なく成熟も遅くなるということです。
どうかこの単純で大雑把な解釈にツッコミは入れないでください。
美味しくなければ買ってもらえません。成熟が遅くなるなら、その分収穫を遅らせればいいじゃないかと思いますが、遅らせた分だけ樹に着花負担が掛かり樹勢が弱って隔年結果です。
今度は肥料を少し減らしてみます。 当然樹勢に影響して結果は同じです。
樹勢を維持しつつ味の向上を図る。このバランスを取るのが剪定という作業です。
おお、難しそうだ!
剪定技術は研究が重ねられ、気温や消費者の嗜好の変化などに合わせて変化してきています。
毎年指導員などによる講習会が行われていて、生産者は新しい技術を身につけていきます。
そのなかで剪定が上手い人は一目置かれたりもしますが、たとえ上手に剪定が出来たとしても天候次第でそのバランスが簡単に崩れてしまうわけでして、結局のところ表年、裏年という言葉がいつまでもなくならないということになります。
極意も何もあったもんじゃないという話ですが、それでも生産者は勉強し、技術を磨き、この難問に立ち向かい続けるのであります。
そして剪定に関する長々とした説明はまだまだ続くのであります。