梅雨入りとカミキリムシ。

そろそろ梅雨入りか

2019-06-11


この地方でも先日7日に梅雨入りの宣言がありました。だいたい例年通りということらしいけど、全国的に見ると局地的に豪雨があったりヒョウが降ったりと、のっけから不穏な雲行きの梅雨の入り初めとなっています。

雨が多くなってくると作物の生育が促進される反面、作業スピードが遅くなったり病害虫が増えてくる中で防除タイミングを見計らうのが難しくなったりと、何かと気を揉むことの多い季節となります。

今年の虫相。

現在の畑の中の状況としては、昨年までよく見られていたカメムシが今年はほとんど見かけないのと、カミキリムシが異常に多いということが気になります。

写真は撮りたくないのです。

カメムシに関しては最近のパ○チーブームによって消費が増えたからということでは断じてなく、エサとしている杉の実が山に豊富にあって、現時点でわざわざみかん畑に降りてくる必要がないということです。これは環境の良い山の中で繁殖した後、エサが無くなり次第みかんの果汁を求めて飛来してくる可能性を示唆しています。

園主をにらみつけるカミキリムシ。

もう一方のカミキリムシ(ゴマダラカミキリ)は成虫より幼虫からの被害が問題です。成虫は鋭い歯で樹皮に切込みを入れて卵を産み付けます。その後孵化した幼虫は羽化するまでの1-2年間の間に木質部を食い荒らし続けて樹を枯らしてしまうため、みかん農家が最も嫌う害虫のひとつです。水玉と縞々という柄の取り合わせすら腹立たしいくらいです。

カミキリムシ大発生のワケ。

植物は病気や害虫から逃げたり払いのけることが出来ないため、ある程度の自己防衛力を持っていています。
カミキリムシについては産卵によって傷ついた箇所からヤニを分泌してある程度(あくまである程度)孵化を防ぐことが出来るのですが、樹勢(樹の健康状態)が低下しているとヤニの分泌が正しく行われず樹体内への幼虫の侵入を許してしまいます。

侵入を許してしまうと薬剤防除が不可能なので、侵入口から針金を突っ込んでグリグリと動かしながらどこにいるか分からない幼虫を手探りで刺殺するという、ひたすら時間を消費する方法しかなくなります。しかも本当に死んだのかどうかも分からないので出来れば産卵前に対処したいところなのだけれど・・・。

みかんの樹勢の維持と害虫駆除には常日頃の手入れが重要なのですが、いかんせん昨今の農業者高齢化や後継者不足による耕作放棄が相次いでいる問題、そしてカミキリムシには羽が付いているということに関しては自分の力ではどうにもならないワケで。

一日で20匹もの成虫を捕まえたということは近所でおそらく耕作放棄が出たということで、そこのみかんの樹が朽ちるまでの2-3年はカミキリムシ(それと黒点病も)に悩まされることになりそうです。

そしてウチの畑がだんだん雑木林とソーラーパネルに取り囲まれていく 笑 。