2023-02-10
昨今は農業界においてもITやスマート農業などという言葉が話題になっています。
ここ北東農園においても、以前から欲しい欲しいと思いながら予算のこともあり先延ばしになっていた先進技術の導入ですが、先日の抜根作業で時間の大切さと寄る年波に抗うことの無力さを痛切に感じ、ついに導入の運びとなりました。
とは言っても届いたのはIOTソリューションとかドローンとかの最新テクノロジーではなく、小さなユンボです。
スマート農業から完全に周回遅れの産業革命です。
単なる機械化です。
二十数年落ちの大中古車です。
スコップのとこがガタガタ言っております。
それでも百人力です。
「穴掘ってみんな埋めてやろうか?」くらいの勢いです。
ちなみにセレサポとしてはヤンマー一択です。おかえり真司!
で、これで何をするかというと、
つまり長年の雨で流れた土を元に戻して株元に発根を促しつつ、夏場にマルチシートを敷いたときの排水を促しつつ、長く伸びてきた根っこを切ることで生育と水分のコントロールをしやすくするという魂胆です。
健全な生育のためには根っこを大事にせよというのが現代の風潮ですが、昔の人は食味を上げるためにやっていた(寒打ち-かんうち-と言っていたそうです)というのを就農当初に何かの資料で読んだ事があって(親父の記憶にもあったそう)、当時はとにかく糖度を上げたい、糖度を上げれば高く売れるんだと思い込んでいたわけで、いろんなことを手当たり次第にやっていた中で(若気の至りというやつです)これは有効な手段であるとの確信を持ったのが約15年ほど前。
以来、やっぱり根っこは大事にしなきゃよー!とか、こんな重労働はいつまでも続けられんわとか、でも寒打ち止めて味悪くなったらどうすんねんとか考えて、いわゆる止めるに止められないといった心境ではあったのですが、今年も購入を先送りにするつもりだったユンボがいくつかのはずみが重なって突然やって来たことが、「続けれ!」という思し召しだと解釈しましたです。
まあ今後どうするかは追い追い考えていくとして、この作業は数年に一度行われ、樹を休ませる年の冬場に行われます。