2026-01-29
かれこれ1ヶ月ほど雨が降っておりません。前回の雨では収穫直前の中生みかんに果皮障害が起きて恨み言が出ましたが、降らなければ降らないでグチられるというね。雨にとっては迷惑な話だとは思いますが、やっぱり物事にはタイミングというものが大事なんだよと教えてあげたいわけです。
冬場は柑橘類にとっては休眠期ではありますが、さすがに葉っぱが萎れるほど乾燥するのも良くないので、昼間の温かい時間を見計らって潅水パイプとその設備がない所はホースを引きずりながら真冬の水撒きを行いました。
氷が張っていないことを確認してからコックを開けたのですが、潅水用のパイプの中が少し凍っていたみたいで数カ所の接続部分から一斉に水が噴射しましたね。「水芸かよ~!出初式かよ~!!」とか言いながら修理道具を取りに倉庫に走りまして、思いもよらず体が温まることになりました。
予想外の時間を取られることとなりましたが、先日からやっていた堆肥も一旦配り終わっているので、土作り第二段階の石灰撒きに入ります。
通常土に石灰を投入するのはカルシウムの補給と土壌Phの値を適正にするという意味合いがあります。
カルシウムは人間の骨を強くするのと同じように、植物の骨(組織?)を強くする働きを持つ必要な養分とされています。
土壌Phについては作物それぞれに適正値というものがあって(柑橘類の場合は5.5~6.5の弱酸性が良いとされています)、まず土のPh(最近はペーハーじゃなくてピーエイチと言うらしいです)を計った後、値が低ければアルカリ度の強い消石灰を使ってPhを上げる、またはPhが高ければ矯正力の弱い炭酸カルシウムを施用したり、あえて石灰を使用しないなど、状況に合わせて土壌の環境を整えていきます。
当園の土壌は柑橘の適正値である5.5~6.5にだいたい収まっているので、カルシウムの補給としてPh矯正力の弱い牡蠣の殻を粉末状にした炭酸カルシウムを1月と5月頃の2回に分けて少量づつ施用しています。
時の流れ
で、いつもは肥料屋さんに注文して届けてもらっていたのだけれど、今年から牡蠣殻や硫酸マグネシウム(これももうすぐ散布予定)といった肥料は取り扱わなくなったとのお知らせがありましてね。聞くと「牡蠣殻とか硫マグ買ってくれてるのアンタを含めて数件だけだし牡蠣殻なんて1袋(20kg)で数百円だしその内の儲けが数十円(って以前聞いたような気がする)に対しての輸送コストやら在庫リスクが大き過ぎてもうムリ、なのでスマンけど農協とかホームセンターで買ってくれるか?」っていう話。
う~む、、でもまあ、そりゃそうなるかぁ、、って思うわけで。
コストは上がるわ客は高齢化でどんどん減っていくわ本人もそこそこの歳だわで、改善とか縮小とかしていかないと経営が成り立たないという難しい時代に入ってきたのだなと実感するわけです。
田舎の問題が目の前にど~んです。
このまま農家が減り続けると肥料や機械や資材といった農業に関わる仕事や、それを取り巻く農協や銀行、ガソリンスタンド、スーパーマーケットといった生活に関わるインフラも衰退し、仕事がなくなれば田舎の人間は都市部に出て行かざるを得なくなって、人が減れば里が荒れて熊や猿や鹿が山から降りてきて、やがて田舎がなくなっていくのではないかという不安がちょっとだけ頭をもたげたりするわけでね。
難しいことをひとりで考えて気分を落ち込ませても楽しくないので、とりあえずまあコメリに牡蠣殻を20袋ほど買いに行ったわけなんですけども、地元鳥羽産の牡蠣でちょっと嬉しかったりなどしました。