酸味は酸っぱいか苦いか問題。

2018-09-12日南の姫

2018-09-24


「この貴重な晴れ日にいつもと同じ作業をしてていいのか?もっと違う、なにか大事なやる事があるのではないか?」と、無用に焦ってしまう小市民な北東です。

というか、それくらい雨ばっかり降っている今年の9月。

雨が多いということは、みかんにとっても色々と良くないことが引き起こされます。

  1. 病気が発生しやすくなる。
  2. 実がどんどん大きくなる。
  3. 甘みが増えない。
  4. 酸味が抜けちゃう。
  5. 生乾きの作業服を着るハメになる。

1~3番については日頃のおこない(私のではなく、みかんへの)で、ある程度対処出来るのだけど、4番の酸味が抜けてしまう事だけについては、今のところ対処法が見つからないので困っております。

極早生みかんのこと

通常、極早生みかんといえば、「皮が緑色でちょっと酸っぱい。」というイメージをお持ちだと思います。見るからに未熟という感じですが、なぜこんな青くっさい状態で収穫して売っているのかというと、

  • 旬の先取り
  • まだ気温の高い初秋は、酸味が気持ちよく感じる。
  • 気温が高いため果皮の劣化が速く、完熟まで樹に成らせておけない。
  • 果皮の着色よりも果肉の方が成熟スピードが早いため、完全着色にこだわる必要がない。

とか、いろいろな理由があって、つまりは「酸味がある程度抜けてくれば食べ頃とする。」というのが基本的な考え方となっています。

酸味抜け過ぎ問題。

北東農園においては独自の栽培方法や販売基準があるため「完全着色をもって食べ頃とする。」という基準に従って収穫をするのですが、やはり「酸味」問題がネックとなります。

みかんは成熟が進むにつれ「甘み(糖度)」が増し、逆に「酸っぱさ(酸度)」が下がってくるものですが、ウチがやっているみかんの樹に強いストレスを掛けて糖度を上げるという栽培方法は、同時に酸味も強くなりがちで、「コクのある味」を実現すると同時に「着色が進んでいるのに酸っぱくて収穫出来ない。」という問題を引き起こします。

しかしながら長年頭を悩ませてきた「酸味強過ぎ問題」なのだけれど、取り立てて解決策を講じてきたわけでもないのに、ここ数年は一転して「着色途中ですでに食べられる酸味レベル。」という現象が起こっています。

これが「労することなく問題解決的現象。」かと思えばそうでもなくて、単に雨の日が多いからで、雨の水分が酸味を下げているのです。

酸抜けが早いと食べやすくはなるけれど、今度は収穫が遅くなるほど「コクが足りなくなる問題」が出てくるわけです。

まあ、味覚の好みは人それぞれで、「甘いだけでコクが足りない。」っていう人と、「甘いから好き。」っていう人がいて、どちらが良いということでもないのだけれど、私のイメージ的には、収穫1ヶ月前は顔をしかめるくらい酸っぱくて、収穫初期もう少しだけ酸味が勝っていて、後半の11月中旬でも味ボケしないってのが理想なんだけれど。

雨を止ませる方法があれば問題解決です。

酸を上げる方法が分かれば問題解決です。

両方とも聞いたことないです。

雨空を見上げて苦虫を噛み潰しております。