「食味レベル」という独自の評価基準について。

2017年1月8日(日)


穏やかな天気の新年も、はや一週間を過ぎました。
初仕事恒例の防除をあからさまに重たくなった体を引きずるようにして終えた後、中断していた中晩柑への袋掛け作業の再開です。

ヒヨドリのけたたましい鳴き声はさらに激しく、狭まる目標に対して攻撃を激化させており、我が軍は反撃する術なく防戦に追われるばかりです。が、鳥に苛立っても仕方がないわけで、粛々と作業を行うのみでありますね。

袋掛けの作業自体は、果実にひとつづつ新聞紙を包んでいくという単純なものなので、さしたる集中力もいらない気楽な作業です。その間今シーズンの反省やら課題やらを整理しつつ、次のシーズンに向けての目標と戦略を立ててみたりします。

美味しいの伝え方。

「今年のみかんの味はこんな感じです!」

このことを伝えるのが一番難しく、お客様はそれを一番知りたいと思っているはずです。

農産物、特に露地栽培の果物は、その年の天候次第で大きく味が変わってしまうという、商品としては致命的な問題を抱えています。

そんな不安定な商品に対して「美味しいみかんを作るんだ!」という人間の意気込みや努力なんて、自然の前ではほぼほぼ無力なのですね。人の手でコントロールできる範囲は、分かりやすく数字にすると1割くらいでしょうか。あくまで感覚ですけど。

いくら長年(でもないけど)培ってきた栽培技術を駆使したところで昨年と同じ味にはならないし、めったに畑にいるのを見かけない隣のおじさんのみかんがウチのより美味しかったりすることもあるなか、大事なのはその努力を伝えることではなくて、お客様に納得して買っていただくためにどうやって内容を説明するのかなのですね。

このあたりは過去の記事でも触れていますので、ヒマな時にでも読んでみて下さい。

美味しいの言い方

産地によって味に違いはあるのか

美味しさの基準。

みかんの味を伝える方法として「糖度」があります。
果汁に対して糖分が何%含まれているかを表すもので、果汁100gに糖分10gが含まれていると糖度10度(%)となります。

みかんの一般的な糖度としては

  • 「極早生みかん」9度~(9-10月)
  • 「早生みかん」12度~(11-12月)
  • 「中生みかん」13度~(12月)
  • 「晩生みかん」14度~(12月-)

ものすごく大ざっぱさ数字ですが、単純に完熟までに掛かる時間が長いほど甘くなるということです。

糖度が高いほど美味しいということであれば、酸っぱくて糖度の低い「極早生みかん」なんて食べるに値しないわけですが、初秋のときおり暑さも感じる気温のなかで食べる「極早生みかん」は、その特有の酸味が逆に美味しいと感じるわけです。

「糖度」とともに果汁に含まれる「酸味」の強さによっても違った味になり、そこに「旨味」が加わることでコクが出てきます。この三味が一体となって初めてみかんの味が決まります。

ということで、私的には「糖度」という数値に関しては栽培管理過程での目安となる程度のもので、お客様に伝えるものではないと考えているのです。

 

じゃあ、どうすんねん!!

 

・・・・・

 

ということで、今年から「食味レベル」なるものを表示してみたわけです。

独自の評価基準。

どういうことかというと、他人の作ったみかんの味やウチで作っているほかの品種や市場相場などの要素を一切排除し、

「昨年のみかんと比べてどうだ!というのを5段階評価してみました。」

というのが北東農園の「食味レベル」です。

昨年度産(2015年産)を食味レベル3として、今年度産(2016年産)の食味レベルを1~5段階で表示するということです。ちなみに「極早生みかん」では2015年産のレベル3に対して、2016年産は3+(プラス)としました。

つまり、昨年より少し美味しく出来たかなあ。ということです。

ただそこで問題となってくるのは、あくまで昨年との比較なので、

「昨年買って食べてその味を覚えている人にしか分からない。」

ということですね。

さらに、「極早生みかん」のレベル3と「早生みかん」のレベル3は味が違うのね。

先程書いた品種系統での味の差を含めてしまうと「早生みかん」ではレベルが4とか5になってしまうわけで、「やっぱり極早生みかんは食べるに値しない。」っていう、「極早生みかん」を主力としている北東農園としては不幸な結論を迎えることになるわけで、それはなんとしても避けなければなりません。

そして「今年は隣のおじさんのみかんのほうが美味しかった」という事実があれば、それもできれば隠しておく必要があります。

トドの詰まりが「食味レベル」は、あくまでも「北東農園内で収穫された同一品種の対2015年比」ということです。

食味評価表示に対するお客様の評価。

で、この数値を見たお客様の購買の参考になったのかが重要なことなのですが、案の定

「分かんないよ!」

とか

「昨年のようが美味しかったような気がするけど?」

とかでした・・・。。

 

・・・・・

 

やっぱりか・・・

 

う~む。。。

 

とはいえ現時点では「廃案には時期尚早。」というポジティブな結論付けをして、もう少し続けてみることに致しましたです。

目指せレベル4!!です。