2018年1月19日
今年の初収穫です。
首にぶら下げた収穫カゴから感じるズッシリとした重みが、久しぶりに労働してる気分にさせてくれます。
とはいっても試験栽培中の品種で、10本しか植えていないから作業は2時間ほどで終了。
「はるみ」という名前の2月から3月が食べ頃となる優しい味をした品種で、1ヶ月ほど貯蔵してから出荷します。
完熟方法の違い。
みかんやその他の中晩柑と呼ばれる柑橘類には食べ頃になってから収穫するものと、未熟状態で収穫した後、倉庫などで貯蔵し完熟状態にしてから出荷されるものがあります。
冬場や翌春に熟期を迎える中晩柑類は、秋に収穫される早生みかんなどに比べ、長期間樹に成らせていることで果皮の劣化や樹体の疲労が起きやすく、寒さや鳥獣の被害に遭うリスクも増えてくるので、これらを回避するための対策を取る必要があります。
品種のなかには収穫した後でも酸味が抜け糖度が上がる性質を持っているものがあり、倉庫などで貯蔵をすることで完熟状態になります。早期に収穫をすることで果皮や樹体への負担を軽くしながら、寒害や鳥獣害のリスクを回避することができます。
また、寒さに強く長期間樹に成らせていても果皮の劣化や樹体の疲労が少ない品種については、果実に袋を被せたりネットで樹全体を覆うことで寒さや鳥獣害への対応をしながら樹上完熟させることができます。
どちらの方法を取るかについては、研究機関が品種ごとに様々な実験を行っていて、それによって得られた結果を参考にして決めていきます。
温暖な熊野地方でしかも陽当たりが良く寒害のリスクが低いため、樹上完熟を基本姿勢にしている北東農園ですが、この「はるみ」という品種については、未熟収穫してからの長期貯蔵を採用しています。
現時点では甘みをほとんど感じないくらい酸っぱくてとても食べられる状態ではないため、味に関しては半信半疑での収穫ですが、1ヶ月ほど貯蔵する間に酸味が抜けて劇的に美味しくなってきます。
今後栽培量を増やしていく予定の有望新人です。