昨日の台風のような雨風のおかげで、撒いたばかりの肥料が流れ去ってしまったような気がしています(^_^.)
その前日に収穫したみかんはこんな感じです。
もともとこんな形のみかんではなくて「金峰」という普通の晩生みかんです。
晩生みかんというと古くからある大きなみかんです。中の袋(じょうのうといいます)が厚くて、口から出しながら食べるいわゆる「こたつみかん」です。
北東農園でもほんの少しだけ栽培していて、3Lサイズとかの大玉で普通な味のみかんだったのですね。
さしたる収益も上がらないまま、だらだらと作り続けていた品種なのですが、来春早生みかんに植え替えることでもあり、どうせなら枯れてもいいやと思い肥料もやらずマルチ(マルチについてはこちら)を敷いたうえに夏場の渇水時にも水やリもせず、放ったらかしにしておいたのです。
そしたら
みごとな菊みかん(笑)
菊みかんっていうのは、痩せた土地で樹勢の弱った樹に、窒素不足と夏場に強い水分ストレスがかかることにより出来るもので、菊の花に模様が似ているからということで「菊みかん」といわれます。
この痩せた土地、弱い樹勢(樹に元気がない状態)、水分ストレス及び窒素不足はすべて美味しいみかんの条件なので、「菊みかん」を見つけたら買い!です。
じゃあ普通の姿をしたみかんは「菊みかん」よりすべて味が落ちるのかといえば、そんなこともないから奥が深いのですけどね。
今まで出来が悪いと思っていたのに、最後の引退試合で場外ホームランを打ちやがったこの樹を見ながら、どんなことでも見込みがないと決め付けずに、アプローチを変えることで新しい道が見えてくることもあるという、なんだか示唆に富んだ経験をしたのでした。