2020-05-23
現在のみかんの様子です。
花がほぼ落ちて小さな実が顔を出してきました。直径数ミリの幼果は日が増すごとにどんどん大きくなっていきます。
前回の満開防除から約3週間経ったので、改めて殺菌剤の散布作業をしました。
人間と同様に小さな子供は病気にかかりやすく傷付きやすいので、定期的にケアをする必要があります。
今回は花びらや雄しべの残骸につくカビ(灰色かび病)と、枯れ枝で増殖するカビ(黒点病)の2種類に対応した薬剤を使用します。
特に黒点病はこれから秋にかけて長期間発生し続ける厄介な病気です。菌が増え過ぎると果実の外観が汚くなるだけではなく樹全体の健康が害されてしまうので、発生を出来るだけ抑える予防体制を敷く必要があります。
北東農園でのやり方は、これから梅雨が明けるまで3週間に一度(雨が多い場合はもう少し短いタイミングで)菌の抵抗性がつかないように薬剤を変えながら、時に害虫対策の殺虫剤を取り混ぜて集中して散布します。
そこで病原菌を抑え込んでおけば、それ以降の散布は必要なしに夏の乾燥によってカビ菌はそのまま低密度で移行します。そして秋の長雨によって再び被害が増える頃には収穫を終えているという段取りです。
自然の中に普通に存在する菌を根絶することは不可能なので、常にそこにあるものと認識をした上で、その菌のことをよく学び、過度に恐れず、気を抜かず、環境に合わせたタイミングで効率よく感染を防ぐ手立てを講じていきます。
今年は新芽の発生が早かったおかげで緑化も早く、新葉に付くアブラムシが出ていないのが有難い。殺虫剤はもうしばらく後回しにできそうです。