2021-02-17
ここ最近は数日ごとの雨のたびに東の方から生暖かい風が吹いてきて、春が少しづつ流れ込んで来ている気配を感じます。
寒いあいだうずくまるように佇んでいたみかんの樹ももうすぐ目覚めの時を迎えます。
みかん栽培において冬の作業はすべて春を迎える準備です。
土を触り枝を整理するのが主な仕事となります。
土は一年間雨風にさらされ、養分をみかんに送り続けたせいで痩せてしまっているので、土を動かし、減ってしまった養分を補給して、春の発根に備えます。
土の体調を整える。
土にも人間と同じように体質というものがあります。
人間の3大栄養素は「炭水化物」「糖質」「脂質」ですが、植物の場合は「窒素」「リン酸」「カリウム」です。その他のビタミン、ミネラルなどといった要素については「いろんなものをまんべんなく」が健康のもととなります。
農作物も肥満や失調で体調不良を起こすので、だいたい人間と同じ感覚で管理を行けば間違いないのかなと思います。
そのために時々土壌診断(人で言うところの健康診断)を行い、健康状態を把握した上で必要な養分を補給して行きます。
基本的に北東農園の土は「ph高い」「有機物極端に少ない」「水はけ良過ぎ」「肥料分少ない」「保肥力小さい」となっています。
まずは雨で流れた土を株元に戻してから(写真撮ってないw)カルシウムの補給をします。
カルシウムは人間の骨を強化するのと同じで、みかんの組織、特に果皮を強くする作用があると言われています。
また酸性に傾きがちな土壌のphを上げる作用もあり、土作りという目的もあります。
当園は中性から多少アルカリ気味という土質なため、石灰資材は要らないといえば要らないのだけれど、やはりなんとなく入れておきたいという自分の気持ちを尊重して、ph矯正力の弱い有機石灰を少量ばら撒いておきます。
それから
堆肥を投入です。
牧場から届いた牛糞バーク堆肥。牛糞と樹皮を混ぜて発酵させたものです。指導書とか読むと「土壌改良のために毎年10aあたり2-3tを投入しましょう」とか書いてありますが、ウチでは保湿と発根の足しになればいいかな程度なので、1年おきに700kgくらい。
ひょっとしてなんの足しにもなっていないかも知れないけど、微生物のエサくらいにはなっているかな程度。
有機物が少ないのだから大量に投入して土壌改良すればいいのにのも思うのだけれど、元々の環境を大きく変えることが果たして良策なのかどうか分からないのでちょっとづつです。決してしみったれている訳ではないと、えー、思うのです。
株元にボソボソと置いていきます。
それから剪定作業に入っていき、その剪定枝をチッパーという粉砕機にかけて
これも株元に配置していきます。
交互に置く意味はありませんがなんとなく。
今のところはこれくらいにしておきます。3月に入り気温とともに地温も上がって来る頃、発芽や発根に備えた養分補給を追加していきます。
そういえば町役場からのたび重なるご要望にお応えして、10年ぶりくらいに健康診断に行きました。だいたい年相応でした。とりあえずは、まあ、良かったです。