07/25/2014
熊野地方でも昨年より約2週間遅れて梅雨が明けました。
極早生みかんにマルチシートを敷いてから1ヶ月。その間雨が土に浸み込むことなく、葉や果実に降る雨だけで緩やかにストレスの掛かっていた樹は、梅雨明けの晴天と気温の上昇で一気に様相が変わってきます。
これは6月23日の写真です。
写真のアングルが微妙に違っていて分り難いかもしれませんが、濃緑だった葉色は黄緑色に退色してきて、 葉の形も水分の蒸散を抑えるために細長く巻いています。果皮も薄くなってきています。
枝を伸ばしたり果実を肥大させる成長作用が抑えられ、早く果実を成熟させようとする作用に切り替えようとしている状態です。
成熟期間が長いほど美味しいみかんになると考えているので、まだ果実径の小さなこの時期すでにストレス状態に置いておき、これからの時期はこの状態を維持するために潅水と摘果で調節していきます。
潅水と摘果。
このまま放っておくと果実の肥大が完全に止まり、落葉して貧弱な枝から枯死していきます。
これを潅水と摘果によって抑えつつ、緩やかに果実肥大を進めていこうということです。
ただしまだ成長作用が残っている段階なので、過度に潅水や摘果をしてしまうと、すぐにまた元の青々した状態に戻ってしまうので注意が必要です。
昼間の陽射しと気温でしおれたみかんの樹ですが、夕方になると徐々にしおれていた葉が開いて、元気を取り戻してきます。
そしてまた翌日の昼間にはしおれて、というのを繰り返しながら、糖度を上げつつ肥大も少しづつ進めていきます。
この状態をあと約2ヶ月半維持していくわけです。
潅水はほぼ毎日、1本の樹に1-2ℓの水を潅水パイプを使って供給していきます。これと同時に樹勢の弱っているしなびの大きな樹には、手動での潅水をしながら強めの(多めの)摘果をして、樹勢の維持と他の樹とのバランスをとることにに努めます。
ここからがこの栽培方法の核心に入っていきます。
まだ確たるノウハウを身に着けているわけではないので、不安と自信が入り混じってなんだか自分にもストレスが掛かってしまいますが、とりあえずみかんから常に目を離さず、メッセージを聞き逃さないようにしていきます。