2014年12月13日(土)
鳥の鳴き声と強い風、それと選挙カーの音しか聞こえてこない熊野の畑にも寒波がやってきています。
みかんの樹々はすっかり生長を止め、、収穫の終わったものは静かにうずくまるように、実を成らせているものは少しずつやせ細りながら、成熟を待っているように見えます。
冷えた土の上では雑草も、出てくる時期を間違えたかのように小さいままで、ミミズは奥深く潜り、ダンゴ虫は水気のあるビニールの下で丸まったままです。
尿素の葉面散布。
12月に入って気温が低くなると根が養分を吸収しなくなり、葉で生成された養分も根に送って、寒さと乾燥に耐えながら翌春の生長に向けて休眠状態に入ります。
元気の良い健康な樹ならそのままでよいのですが、養分を貯めておく根が少なく葉色の薄い、いわゆる樹勢の弱っている樹は落葉したり、寒さに耐えきれず枝が枯れてしまったりして、翌春の芽や結実の不良につながってしまいます。
これを防ぐために葉面散布という手法を使います。
休眠状態とはいえ、葉は呼吸を続けています。その葉裏にある気孔から栄養分を吸収させるのですが、寒い時期の場合、葉面吸収されるのは主に窒素分だけで、その他の養分は吸収率が悪く、効果がほとんど期待できないので、安価な尿素を使用します。
窒素分46%の尿素を300倍くらいに薄めて、防除の時のように噴霧器を使って散布します。
殺菌剤などのようにまんべんなくしっかり掛ける必要もないので、防除の半分以下の時間で済みますが、真冬に水を浴びながらの作業なので手足が凍てつきます。しかも尿素とはいえ濃度が薄いので、お肌しっとり効果も見込めません。
1回だけでは効果が出ないので、他の作業の合間をみながらあと数回続けていきます。
気になっていた落葉がこれで少しでも止まってくれれば良いのだけれど。