どこ行った?

どこ行った?

2025-06-18

梅雨入りしてから一週間、早くも明けたかのような日差しが脳天に降り注いでおります。このあとの2週間予報にも傘マークは見られず天気予報図から梅雨前線が消えるという状況に「すわっ、早くも梅雨明けか?早すぎんか?!」とも思いましたが、どうやら少し長めの中休みでもう少ししたらまた雨が戻ってくるということらしいです。

しかし思いもよらぬこの時期の急激な暑さに体がついて行かず、もはや休憩の合間に仕事をしている状態です。全然作業が進んでいきません。

みかんも葉の艶がなくなり急激にくたびれてきましたね。

いつもなら7月後半の梅雨明けから徐々に萎れ始まるのですが、1ヶ月も早いとさすがに慌てます。梅雨は梅雨らしく雨が降ってくれないと困るのだなあ。

ここ数日の変わり様をみると、数年続いている夏場の高温と干ばつ、それに秋になっても気温が下がらないという過酷な気象状況によって、ダメージが徐々に蓄積しているように見受けられます。

おそらく土の中の根が傷み、そのため新たな根が出にくくなり、養分吸収が不十分となり、それが地上の枝葉や果実品質に影響を与える。というようなことが起きているのだと思います。土の中のことですから目には見えませんし、ちょっと持ち上げて見てみるなんてこともできませんので、あくまで想像なのですがたぶんそういうことなのだと思います。

2024年で言うと7月中旬の梅雨明け以降35℃を超える日が続いた中で異常落葉があり、秋になっても気温が30℃近い日が続いたため、着色や食味の上昇の成熟がなかなか進まず、結果、収穫を遅らせてなんとか品質を確保したは良いけれど、長期に渡る着果負荷によって樹へのダメージがさらに大きくなり、回復しないまま翌年に持ち越すというような状況となっています。

「ん?お前んとこのみかん、隔年結実で作ってんのと違うかったっけ?」と気づく方もおられたかと思いますが、隔年で作ってさえこの状況です。みかんを取り巻く環境がよほど厳しくなっているのか、単に自分がヘタすぎるのかのどちらかです。たぶん後者です。

このあたりの状況は翌年の新芽の出方や葉色、花の形や生理落果の程度などに目に見えて現れてやっと「ん?なんかいつもとちょっと違うぞ!」ということになり、「そういえば昨年もちょっと違っていたけど、今年のちょっとは昨年のちょっとともちょっと違うぞ!」と気づくのですね。

毎年ちょっとずつ違うのは天気が毎年ちょっとづつ違うからという当たり前の話ではあるのですが、それがみかんの味も毎年ちょっとづつ違うことになると「今年のみかんは美味しい!」とか「今年はあんまり美味しくない!!」というお客さんの評価がばらつくことに繋がってくるので心配です。

食べるたびに味の違うラーメンを出されたらその店には行かなくなるよね。

小さな直販みかん農家とすればそれは避けたい。というか、避けなければならない。

なんとかしなければなんないっ!!

木陰に座り込んで小一時間、ぼんやりと考えているようでほとんど考えておりません。

頭の上では数千匹のトンボがのんびりと泳ぎ回っております。

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