再び圃場で。

再び圃場で。

2025-08-20

お盆が過ぎ熊野の花火が終わると夏の終わりの始まりです。
空が少しづつ高くなって空気が少し澄んできているので、昼間の暑さは相変わらずですが、ねっとりとまとわりつく暑さから刺すような日差しに変わってきているのを感じます。

夜になると冷やされた風が心地よく、鈴虫の鳴き・・・鳴いていない・・・どこ行った鈴虫。。

秋はまだ来ぬのか。

こんなこんなで「極早生みかん」の収穫まであと2ヶ月程となりました。
干ばつで弱った樹は先週の雨で少し元気を取り戻していたのですが、再びしおれが出てきました。

これ以上弱らせてしまうとマズいので対応はしているのですが、なかなか迅速な対応とはいかず、みかんから催促のクレームが出始めております。

果実の重みで枝が垂れ下がってきているので、紐で吊り上げる作業も加わり作業が遅々として進まない。

分かっているんだ、分かっているからもうちょっ我慢してろと言いながら花火は見に行くというね笑

ちょっとマズい状況に陥りつつある「極早生みかん」。

高温と水不足と着果が多過ぎるのとで養分不足が起こり、肥大が止まり葉っぱが黄色くなっています。このまま放っておくとまずは落葉が始まり、続いて枝が枯れて実は落ちて最終的には樹が枯れてしまいます。

対応策としては灌水量を少し増やして、なり過ぎている枝から実を間引き、垂れ下がった枝を紐で吊り上げて日当たりと風通しを良くしていきます。

10日の雨が降る前に枯れた葉はすでに落ちています。

葉っぱは糖分を作り出す重要な部署なので、たくさんあって葉色濃く元気な方が良いと思われがちですが、収穫が間近に迫っている「極早生みかん」などは、適度の萎れと黄色くならない程度に退色がある方が美味しくなるという実感があるので、この衰弱と元気のバランスをいかに取るかが大事な部分となります。

作り手によっては光合成に必要な葉緑素と甘みの元になる養分が十分あって初めて美味しいみかんが毎年なるんだよと言う人もいて、このあたりの考え方の違いがみかんの個性となって現われるからみかん作りは多様で面白いのですね。

で、うちとしては先代からの伝統「少ない肥料と少ない水でみかんをイジメるそして隔年でも構わない」といういわゆるドS栽培方法を採用しております。

とはいえ樹を枯らしてしまっては元も子もないので、残っている葉っぱの機能を失わせないように灌水の間隔を短くして量も増やしております。(この時点でかなり慌てているのが見て取れます)

9月に入ればほぼ間違いなく長雨に悩まされることになるので、現段階では元気を取り戻し過ぎないように細心の注意を払いつつ水分補給を行っていきます。

摘果については7月までは順調過ぎるくらいに肥大を続けてくれていたので「お、この調子だと摘果いらないかも♡」と思っていたのですが、8月に入った途端ピッタリと止まりましてね、ここにきて大慌てでちぎり倒しているところでございます。

これが俗に言う後期重点摘果だぁ~!などとよく分からないまま言ったりもしておりますがたぶん違いますね。

小さいものや傷がついているものを中心に適正量まで数を減らします。

とりあえず現状を維持することに全力を上げつつ、ここ数年続いている秋の長雨といつまで経っても下がらない気温の対策も練っていかねばといったところです。

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