美味しいみかんを届けるために。

収穫を間近に控えて。

2025-10-09

10月にお月見なんて久しぶりだなと思っていたら去年より2週間も遅かったそうです。陰暦とか太陽暦とか良く分からないけど、今宵も綺麗なお月さんが見られて嬉しい気持ちでございました。

この地域では中秋の名月の日にお供え物を近所の子供達がたばっていく(もらっていく)という行事があって、子供たちにとっては大きなイベントとなっています。

日暮れとともに普段は人気のほとんどない田舎道を「たばらして~!!」の声を響かせながら子どもたちが走り回り、野良猫たちは怯えて逃げ回るとても賑やかな夜となります。

元々は小学生の子供だけが参加できる行事で、追いていけない幼稚園児は家から出してもらえず、中学にもなると恥ずかしくて自然と参加しなくなるという伝統があったのですが、せっかく子どもたちがやって来るのだからとお供えのお菓子やジュースが少しづつ豪華になり、それに釣られて中高生がやって来るようになり、夜道は危ないからと親がついて来るようになり、挙げ句には他方から車を乗り付けてやって来るようにもなり、なんだか情緒がなくなってしまったなぁ、昔のようにお供えは芋と団子とみかんにしたろかなぁ、と思っったりするのでありました。

北東農園の選別基準。

ここからは収穫前にいつも書いている当園の販売基準についての記事となります。
過去記事の焼き直しですが、改めてご確認いただければと思います。

果物はその年の天候によって美味しさが大きく変わります。
陽射しが少なく雨が多い年は糖度が上がらず水っぽい味になるというのは知られた話ですが、みかんの場合は収穫直前の雨にすら影響を受けてしまうくらいデリケートな果物です。

「見た目が同じなのに味が不安定」という欠点を払拭するために、生産者はいろんな努力をして品質の安定化に努めるわけですが、なかなかお客さんの「ハズレを引いたらイヤだな」という気持ちを消すことはできていません。

このあたりは過去記事

美味しいみかんの見分け方→

産地によってみかんの味に違いはあるのか→

ブランド化はみかん産業の救世主となりうるか→

などでも書いていますので暇なときにでも読んでみてください。

北東農園の当たりハズレ。

みかんをお買い上げいただいた方からこんなご意見が届くことがあります。

「去年の方が美味しかった。」「昨年と違う品種?」「味が悪いのに値段が一緒なのはどういうことかっ!!」

つまり期待外れだったということです。

申し訳ないという思いを込めながらも、「いくら努力をしていても毎年同じ味のみかんを作るのは不可能なです。でもその中から私が「これなら大丈夫!」という基準をクリアしたものだけをお届けしています、決して美味しくないものをお送りしたわけではないのですどうぞよろしくご理解戴きたいのです!」

という説明をするわけですが、初めて食べた北東農園のみかんがたまたまとびっきり美味しかった場合、翌年のみかんの出来が悪くないにも関わらずガッカリするという事態が起きてしまいます。
しかし、「今年は不味いです。」とも言えない。なぜ言えないのかというと、販売基準をクリアしたものだけをお届けしているからです。

つまり「とびっきりではないが十分美味しい」と思っているからです。

そしてこの「美味しさをどう伝えるか」という難題についていろいろと考えた挙句に思いついたのが「食味レベル表示」です。

食味レベル表示。

  1. 北東農園独自の食味基準です。
    収穫されたその年のみかんの美味しさを5段階に分け、味のレベルを表すことで購買の目安としていただくためのものです。
  2. 糖度はあくまで栽培上での目安なので表示はしません。糖度、酸味、旨み等を自分の舌で総合的に判断して決めています。
  3. 同一品種を対象としているため、同じレベルでも「極早生みかん」と「早生みかん」では食味基準が違います。
  4. あくまで当農園内の独自基準で、他産地や他の生産者との比較ではありません。

食味レベル

味の目安

販売基準

1

美味しくない

販売しない

2

あと一歩

販売しない

3

美味しい

販売する

4

とても美味しい

5

とびきり美味しい

という感じです。

品質を揃える。

通常みかんの樹には数百個のみかんがなっています。
そのなかで樹の状態や枝の太さ、果実が成っている位置などによって、大きさや着色度合いや味がさまざま異なり、美味しいものから美味しくないものまで混在してぶら下がっている状態です。

北東農園ではこれを5段階に分け、レベル3以上と判断したものを収穫して販売するようにしています。

品質を揃えるための栽培管理はもちろんのこと、収穫段階では美味しいものを先に収穫し、着色の遅いものや味の乗りが悪いものは食味が基準値以上になるまでそのまま熟成させ、後日改めて収穫します。
さらにこれらを私一人で行うことで品質の安定を徹底させています。

当たりの取り扱い。

食味レベル2以下のいわゆる「ハズレ」を入れないことで「美味しいみかん」を保証しているつもりなのですが、販売基準を超えるレベル3以上のものについては区別なく入れています。

このレベル3以上を区別しないのは、目で判別するのが難しく、食べてみて初めて分かるものだからです。
そのため毎年お買い上げいただいているお客様にとってはどうしても「当たりハズレ」があると感じてしまうことになります。

天気が低調でレベル4以上が少ない年は食味レベル3とし、少量販売して終了します。
逆に天気に恵まれた、いわゆる当たり年にはレベル4とし、とびっきりの美味しいみかんがたくさん入ったものをたくさん買っていただけます。

食味レベル表示の意味。

レベル4の翌年にレベル3だった時の「買わない選択肢」の提示。

つまり「昨年より美味しくないんだったら買うの止めとこ。」という判断材料の提示です。

ここまでくどくどと説明しましたが、毎年お買い上げいただいているお客さんにしか伝わらないし、「毎年買ってるけど違いがよく分からん。」とも言われます。
独りよがりっぽいし分かりづらいなあと自分でも思いますので、もしご質問があれば遠慮なくお問い合わせ下さいませ。

他の産地や他の生産者さんの作ったみかんの味について私が関知するわけもなく、ただ北東農園のみかんについて「ハズレなし」をモットーにしています。
もしよければ一度お買い上げ頂き、お客様の口で判断していただけたらなあと思います。

とりあえずみかん買って下さい。(*^^*)

順調に行けばあと1週間ほどで販売を始める予定です。

現在はこんな感じです。

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