2015年6月8日(月)
4月から「機能性表示食品」制度が始まったそうな。
健康の維持や増進に役立つ成分が入ってますよ。と食品に表示が出来る制度で、以前から「特定保健用食品(トクホ)」や「栄養機能食品」というのがありましたが、今回の「機能性表示食品」は規制緩和による消費拡大策の第3の波という位置付けらしいです。
「機能性表示食品」は企業側の責任で科学的根拠を証明し、届け出を消費者庁に受理されれば商品に記載販売が出来るというもの。国の審査に莫大な費用と時間がかかる「トクホ」に比べ、届け出だけで済むため中小企業なども参入しやすくなりました。
機能性野菜
野菜などについても許可されるようで
「みかんにはβ-クリプトキサンチンが多く含まれ、骨の健康を保つ効果が認められます。」
などといった記載が出来るようになるそうです。
すわ!ビジネスチャンスや!!!とばかりに業界は色めき立っているわけでありますが、
昨今は健康ブームといわれていますが、「この成分にはこんな素晴らしい効果が発見されました!」とか「これを食べれば病知らず!」とか「美味しいものは○○と○で出来ている。でもこれを飲めば大丈夫!」とかの言葉が溢れていて、どっちかというと「健康食品商法ブーム」という方が正しいような気がします。
そもそも体をつかさどる極々一部にすぎない成分、それもわずかな量で事足りるようなものをわざわざあげつらって特段の効用を強調することにいったいどれほどの意味があるのでしょうか?
機能性の無い野菜ってどれのこと?
「美味しい」より「健康に良い」の方が大事になっているのかなあ。以前テレビでトマト生産者のおじいさんが、一生懸命に「ピコリン」の効能を語っておられました。でもじいさん「ピコリン」じゃなくて「リコピン」だよ!かわいいネーミングだけど、そっちに気が行ってしまって、せっかくの美味しそうなトマトがかすんでしまってました。
私的には「不健康な食べ物が大好きだけど健康だよ!」ですが、子供の頃は「豆腐は体に良いから食べなさい。ホウレン草を食べると強くなるから食べなさい。ご飯ひと粒の中には7人の神様がいるので残したらバチが当たるぞ。あれもこれも全部体に良いから全部食べなさい。」と言われて育ったわけで、結局好き嫌いしないであらゆるものをバランスよくありがたく食べるということが健康に繋がっていくという教えだったのでしょうね。
健康に良いのだと思いながら食べるとより体に良いらしく、ありがたいと思えばより美味しく感じるそうで、あまり否定的な気持ちで食べるのはかえって良くないのだろうなあ。
だから健康機能表示によってありがた味が増すのならそれで良いのかなとも思いますが、機能性表示競争のあまりあらゆる食べ物に健康成分の文言ばかり増えすぎると、逆にありがたみや興味が無くなったりしないのでしょうか。
食べて楽しい味だとか、気の利いたキャッチコピーの方が売り上げが上がるような気がするんだけどなあ。
とはいえ「機能性食品表示」制度の施行から2か月経ってますが、ほとんどが大企業からの届出みたい。
そのうちの許可が下りているの1割ほどだそうで、残りの9割は手続き上の不備が原因らしいです。
やっぱり中小企業や農家にとっては敷居が高いのね。