2016年1月14日(木)
先日までの防除を終えて、只今は中晩柑類の袋掛けの作業をおこなっています。
中晩柑というのは温州みかん以外の柑橘の総称で、不知火やせとかオレンジ類など、冬後半から春にかけて収穫されるものが多く、袋掛けは防寒と鳥害を防ぐためにおこないます。
水分の多い柑橘類は、氷点下に長時間さらされると果実が凍結して果皮障害や、中身がスカスカになる「す上がり」といった症状が出て、商品価値がなくなってしまいます。
そのため果実に直接雪や霜がつかないように袋で覆うのですが、比較的温暖で氷点下になることがめったにない熊野地方で、この寒害対策が絶対必要というわけではないのですが、鳥害対策の点では絶対に必要なのですね。
柑橘類の害鳥としては主にヒヨドリとメジロの2種類があり、山奥でついばめる木の実などのエサが無くなると彼らは大群で押し寄せ、手当たり次第に穴を開けて食い散らかしていきます。
この袋掛け作業、一般的には寒さが本格的になる前の11月から12月にかけておこなわれますが、北東農園の場合収穫に追われていつも1月になってしまいます。
空の高いところにいる鳥からすれば、ポツンとうちの畑にだけエサになる黄色い物体が見えるわけで、
「みんな集まれー!!」
となるわけで
こんな始末です。
ただ今年に限って言えば、鳥害が圧倒的に少ないです。他のみんなが袋掛けをやっていないのではなく、おそらく暖冬の影響で山のエサが充実しているのだろうと思われます。
みかんより普通に、木の実が好きなんだろうな。
袋掛けと言っても、うちの場合は経費節約のため新聞紙で包んでいるのですね。
日頃からストックしておいたものを1/4の大きさに切って使うのですが、使用した新聞紙の量でその年の収穫量を推し量れます。
今年の収穫量は、購読している一般紙と日本農業新聞2紙ちょうど1年分くらいです。
しかしながら包んでいる最中に気になる記事(主に下世話な週刊誌の広告)が目に止まり、ついつい読み込んでしまい作業の手が止まってしまうのが難点です。