2016年10月17日(月)
朝晩が長袖を着ていないと過ごし難くなってきました。10月に入り天候が回復したおかげで滞っていたみかんの味が上がってきております。
実際のところは上がってきているというより、7-8月に溜め込んでいた糖分が9月の長雨で薄まり、再び凝縮してきているといった感じです。
ただ、長雨の影響は残っていて、日照不足による着色の遅れと、減酸の速度が速くなっています。果皮に緑色が残っているのに酸味が抜けてきているといった状態です。
いつもの年であれば完全着色してはいるけど、酸味が強くて収穫できないジレンマと葛藤する「着色先行」なのだけれど、今年はいつもとは逆の、味は仕上がっているのに色が追い付いて来ない「食味先行」のかたちです。
このまま完全着色を待っていると酸味がなくなってしまうし、まあ、みかんの皮を食べるわけではないのでちょっと青い部分も残ってはいますが、完熟と判断して本格的に収穫を開始いたします。
収穫の判断基準。
いつ採るの?
これが結構難しいところで、各生産者やJAなどによってさまざまです。糖度や酸度を自動判別するセンサーを備えるJAや出荷組合などは、その基準に合わせた収穫タイミングがあり、北東農園などの個人選果生産者はそれぞれの判断基準で収穫します。
北東農園は極早生みかんといえども完熟収穫を基本としているので、収穫作業がなかなか手間取ります。
- 全体的に黄色ではなくオレンジ色になっていること。
- お尻にしっかりとした赤みが出ていること。
- 枝の付いている頭の方もできるだけ着色したもの。
- 枝やトゲによるキズが付いていないこと。
- 腐敗につながらないキズは気にしない。
といったことに気をつけながら収穫していきます。
樹勢(樹の元気度合い)や枝の太さや角度、それに実の着き方でそれぞれ色や味が変わるので枝の一本一本、果実の一個一個をよく見極めながら下から覗き込むようにして収穫します。
それを首からぶら下げた収穫用のカゴに入れていくのだけれど、熟度の揃っていない収穫初期は、10kg程入る収穫カゴ(ポテという名前なのだけれど、なぜポテなのかはなぜか恥ずかしくて聞けない。)が一杯になるまで時間がかかります。
収穫できるみかんを探すため移動距離が長くなり、立ったりしゃがんだりの屈伸回数も増えるため、ちょっとした負荷トレーニングとなっております。背筋が鍛えられ、夏場にビールのせいで膨れたお腹がヘコんでくるのがわかります。
トレーニングジムで非生産的で非健康的に鍛えているそこのアナタ!畑に出ようぜ!!
そういえばポテ(*´∀`) にはいくつかのサイズがあって、その中で一番大きいサイズの10kg入りが最近は大き過ぎるという理由で売れなくなっているのだそうです。高齢化の波はこんなところにもです。