2016年12月1日(木)
南国三重県熊野地方にも、朝夕は冬の訪れを感じる季節になりました。畑近くの雑木林は紅葉が綺麗です。
極早生みかんの総括的考察。
北東農園のみかん畑といえば、みかんのオレンジ色がなくなり、白いマルチシートを剥ぎ取ったあとは、なんだか荒涼とした雰囲気すら漂っています。
いつもより多くの落葉と多くの枯れ枝が見られ、数本の樹を枯らしてしまいました。今年の環境がみかんにとって例年より過酷だったということが伺われます。
みかんに強いストレスを掛け糖度を上げる栽培方法の一番のリスクが生産母体の枯死であり、永年作物であるみかんの樹を枯らすというのは大きな損失です。植え替えと育成の労力が増え、その間の未収穫期間が発生することになります。つまり栽培が失敗したことを意味します。
今思えば、例年になく梅雨時の雨が多く降り、例年になく夏場の渇水が続いたこと、例年になく秋雨が長引いたおかげで、みかんの樹に現れていた注意や警告といった症状を読み取ることが出来ていなかったのです。
みかんの発する信号をちゃんと読み取り、的確な対応ができていれば避けられた事だろうなと思うわけですが、現実には天候や土壌状態といった環境は常に変化し続けるものであり、それら環境に大きく影響を受ける農産物の場合は、前例がないというのが普通の状態といえます。
そのことを踏まえた上で最も良い対処をするためには、ただひたすら経験を積んで行くしか方法はないのです。これから先、今年と同じ状況に接することはほとんどないかもしれませんが、今年の経験が役に立つことはあるかもしれません。
大きな課題を残した今年の「極早生みかん」でしたが、この課題が成果でもあるわけです。
経験とそれに基づく勘と動きの良い体が必要です。
今あることをしっかりと捉え、忘れないように積み重ねていけば、あと50年もすれば私も一端の百姓になれるかなあ。
なんだかちょっと意味不明な文章になりましたが、備忘録として。