2017年2月17日(金)
今年は断根処理(寒打ち)を念入りにやり過ぎたおかげで作業スケジュールが2週間ほど遅れておりましたが、先日からやっと剪定作業に入っています。
みかんの栽培管理では最も時間の掛かる作業ですが、この剪定によってみかんの仕上がり具合が変わってくる重要かつ醍醐味のある作業です。
日々の作業に追われてしまって、ついつい畑に働かされている気分になることも多いみかん栽培のなかで、剪定という作業はめずらしく人がみかんをコントロールしているつもりになれます。
みかんの剪定。
みかんの剪定というのは、樹形を整えて樹冠内への日当たりを良くしたり、着花と発芽のバランスを取るために枝を切る作業です。
基本的にみかんの木は、発生した新芽が翌年に花を咲かせて果実になるという生理を持っていて、この着花と発芽のバランスが崩れると、木を覆い尽くすほどの花が咲き、大量の果実を成らせた翌年には新芽ばかりが発生して花がほとんど咲かないという現象が起きます。これがみかんの「隔年結果」もしくは「表年」「裏年」と言われるものです。
花芽を減らし新梢を発生させるように剪定をすれば、隔年結果が解消され毎年同じ生産量を確保することが可能とされているのだけれど、そんな努力があんまり報われているとも思えないくらい「表裏」の言葉を聞かない年はないのですね。
しかも不思議なことに全国的に同じ傾向を示したりするわけで、これはなんだかもう剪定技術だけではどうすることも出来ない、深い闇の中でうごめく大きな力が働いているような気がするのです。
まあ、実際のところは闇の大きな力がうごめいている訳ではなく、単に天候であったり、剪定のウマいヘタであったり、丁寧な作業をする時間や人手がないといった理由が大きいのでしょうけどね。
ただそれとは別に、昨今の気候や消費者の需要傾向の変化に対して、そもそもが隔年結果性を持っているみかんを連年結実させるという考え自体の再考察が必要な時期なのではないかと思うのですけどどうなんでしょう。