春の肥料。つづきのつづき。

2014.2.25

2014年2月26日


 

「新しい品種のことは北東に聞いてみろ。」というくらい多品種自慢が、ここにきて大問題です。

新品種が出てきたらとりあえず取り寄せて育ててみる。そしてここの土地に合った品種を見つけていこう。という方針です。

収穫時期の違う多くの種類を少しづつ栽培することで作業の分散にもなり、ひとつの品種がうまくいかなかったときでも、他のものが補ってくれるという保険の意味もあったのですが…。

そうやって少しづつ増えていった結果、極早生みかんだけでも5種類(笑)
中晩柑まで合わせると20くらい? はい、把握しきれてません。

とてもじゃないけど品種ごとの対応なんかできませんよお。

しかも多品種自慢と共に味自慢でもある北東農園では、もともと施肥量が少ないです。味が悪かった翌年はもっと減らします。

肥料を減らせば味が良くなる!という、今や「みかん都市伝説」化した考えに、未だ固執している訳なのですが、美味しくなる事実が確かにあるから厄介なのです。

みかんの栽培農家さんはこれを聞くと、一言で「隔年結果」と症状を言い当てます。

正解です!

隔年結果

「表年、裏年」という言葉がありますが、みかんは1年おきに結実する習性をもっています。たくさん実を成らせた翌年は休んで花を咲かせません。

それを剪定と施肥によって、連年結実させるのが生産者の腕の見せ所になっているのです。

剪定というのは花が多い(実がたくさん成り過ぎる)と予想される樹の枝を切ることで、花の数を減らして樹勢(樹の健康状態)を保ちながら、翌年に花を付ける芽を出させる作業です。
施肥量も、果実と新芽の生長の両方に行き渡るように算出されています。

たとえば肥料を少なくすると、みかんの樹は実をたくさん生産して子孫を残そうとして甘いみかんを作ります。
逆に多いと、樹を生長させるためにエネルギーを使って、子孫は後回しにします。

肥料を減らすということは美味しいみかんが出来る反面、自らの首を絞めることにもなってしまうのですね。

実際は隔年結果どころの話ではなく、樹勢の低下による落葉、芽が出なくなり樹が小さくなって、挙句に枯れてしまうという事態です。

2014.2.26-6

 

 

こうなって

 

 

2014.2.26-5

 

 

 

 

こうなって

 

 

2014.2.26-4

 

 

 

こうなります

 

 

 

永年作物のみかんの樹を枯らすなんて、みかん生産者の風上にも置けないふてー奴です。 されど味を落とすなんて、美味しいみかんを待ってくれているお客様に対してできるはずもない。

考えましたね。 その当時は就農して2.3年目で、みかんも農業もほぼ素人でしたが、素人なりに考えました。

今まで考えたことないくらいにふかーく考えました。

底の浅い根が単純な人間が深く考えたって、たいして深くもないわけですが 案外深くもないところに大いなるヒントがあったりするわけで

「みかんの樹が休みたいって言ってるんだから、休ませたやったらどうなんだい?」

園地を半分づつに分けて、休んでいる年にしっかり樹の手入れをしてあげて、次の年はしっかり頑張ってもらおうじゃないか!

っていうのはどうなんだい? という考えに至りました。

発想が逆転しました。

素人考えばんざいです。

この方法に取り組みだして6年ほど経ちました。 結果はまだ出ていません。

はっきりとした結果なんか出ないのかもしれないけれど、経過は順調です。

枯れる樹もほとんどなくなり、樹勢が回復してきて、落ち込んでいた収穫量も、まだまだ少ないですが徐々に回復してきました。

ちなみに春の肥料ですが、生産する区画は無肥料です。 おかげで味が格段に上がりました。 素人ヽ(^o^)丿です。

隔年結実法

まるで世紀の大発明!みたいな言い方になっていますが…

調べてみたら…

ありました (ーー;)

隔年結実法というらしいです。

しかもけっこうやっていらっしゃる方が…

もっと勉強します。