2019-06-24
みかんが順調に育ってきています。
数日に一度の雨と適度な日照がちょうどよい感じです。
写真は「極早生みかん」のもので、大きさは横経20-26mmくらい。
この6mmの差は、樹勢や枝の強弱によってもたらされるもので、そのまま収穫時のSサイズとLサイズの差となります。
モノづくりの観点からいくとこの大きさの差異は小さい方が良く、出来れば全部Mサイズというのが品質が揃っててよろしいということになります。
もちろん工業製品ではないのでそんな訳にはいかないのですが、目指すことはやぶさかでないのです。
「同じ樹勢で同じ大きさで同じ太さで同じ長さで同じ角度の枝には同じものが成るハズ。」というのは素人っぽい単純な考え方なんだけれど、それを目指して管理を続けていると、なんとなく形が見えてくるものです。
みかんの大きさと味と収穫量。
店頭に並んでいるみかんの大きさはだいたいS~Lサイズというのが一般的で、ちょっと前までは大きい方が収穫量も上がるし単価も高いし見栄えも良いということで、JAや市場からは「Lサイズを作りましょう。」というのが求められていたのだけれど、時代と共に「みかんは小さい方が美味しい。」というのが周知されるようになって、今では一部の品種や贈答品を除いてMサイズが中心サイズになってきています。
さらには「Sサイズはもっと美味しい」とか、ちょっと前までは規格外だった2Sサイズが販売に乗るようになったりとか、「とびっきり美味しい3S サイズ!!」なんていう売り方をするところも出てきて(ウチやん)、こうした多様化は選択幅が増えると同時に店頭での棚幅も広がるということでなかなか良いことではないかと思いますね。
で、味に関して本当に小さい方が美味しいのか?というと、同じ樹になっているLサイズとSサイズを比べた場合、甘さは果汁の中に含まれている糖分割合である程度決まるので、同じ糖分量では果汁の少ないSサイズの方が甘く感じます。
そしてその味の差は、樹によって、さらに日照や水はけの影響を受ける場所によっても出てきてしまうので、品質安定化を目指すためにはその差を無くすことが重要となるのです。
幸い北東農園の畑は一箇所に集約されていて、風通しの良い東南向きの緩やかな斜面という好立地のうえ、自宅の窓からそのほとんどを見渡せるという、品質安定化の条件をほぼ完璧に備えていて、これでみかんが不味けりゃ余程のボンクラと言われても仕方がないくらいの畑です。
この好条件を最大限に活かして「北東のみかんにハズレなし。」を目指しているのですが、やはり毎年同じ品質という訳にはなかなかいかないわけで。
昨年は干ばつに高温という天候のこともあって、全体的に見ると味は良く質も揃っていたけれど大きさは2S寄りのSといった感じ。
流石にそれだと収穫量に問題があるので、今年はなんとか味は保ちつつサイズ的にはM寄りのSまでもっていけたらなと思いながらの管理となっています。
幼果を切ってみるとすでに中身は形作られています。味に関しては今のところ全くの未知数ですが、あと一週間もすれば果汁が入り始めて成長がさらに加速されていきます。