2017年6月6日(火)
柑橘試験場実験結果データ風のタイトルにしてみました。
三重県熊野地方では最近雨の降らない日が続いています。昨年も同じ頃に雨が少なく、中晩柑「不知火」の自然落果が多く見られたため、今年は小まめな潅水を心がけていたのだけれどやっぱり落としてしまいました。
この「自然落果」というのは、花が咲いた後、実が大きくなる過程で自ら落果させ、数を減らすことで自己の健康バランスを保とうとする現象です。
柑橘のほとんどが有する現象なのですが、その「自然落果」が多過ぎる場合の原因として、雨が少ないことの他に、樹の健康状態が悪いとか、養水分が足りないとか、その葉水分を吸収する根の能力が足りないとか、幾つもの要因が重なって起きます。
最近この問題がひどくなっているので、肥料や水のタイミングや量を変えてみたり、剪定で調節できないかアレヤコレヤと試しているのですが、今年も芳しい結果は得られずです。
北東農園では、もともと樹勢の維持が難しいとされる「不知火」を、4月頃収穫の「樹上完熟」することによりさらに弱らせてしまい、そのまま回復する間もなく、養分を大量に使う5月の開花、そして幼果の生長期を迎えるために落果過多が起きているということです。
つまり施肥量を増やし、早期収穫に切り替え、樹勢の安定した「改良型不知火」に植え替えれば問題は解決するわけですが、そうすると「オタクの不知火は一味違うねえ~。」という評価が得られなくなる恐れが出てくるわけですね。
収穫量は増やしたい、されど味は変えたくない。そして植え替える暇もない。ということでもう少しこのまま試行は続けます。
新兵器登場。
ということで作ってみました液肥混入器。
液肥混入機というのは液状の肥料なんかを潅水パイプに送入する装置で、養分を手早く根に届けることが出来るものです。
買えよ既製品!
とも思ったのですが、いろいろと調べているうちに案外簡単に作れそうな感じだったので、ベンチュリー管(負圧発生器)をお取り寄せし、あとはホームセンターでパイプと継手を買ってきて工作することに。
しかし594円という破格の値段につられて買った部品がまさかの海外発送。「お届けまで3週間」の文字に気が付かず、着いた時にはすでに落果の真っ最中です。
もう間に合いませんがしかし、せっかく作ったものです試してみます。
とりあえずポリバケツに水を汲んでチューブの先端を沈めます。
そして灌水用のコックを開ければ、チュルチュルとポリバケツの水を吸い上げるはずです。
吸わない・・・。
どうやらバイパスに取り付けたアメリカ生まれのベンチュリー管に流れる水量が足りない様子。
本線にもう一つ水量調節用のバルブを取り付け、強制的にバイパスへ水を送り込むようにしてみる。
車で10分のホームセンターへ買い足しに。
本日3回目です。
一旦バラした混入器にバルブを取り付けて再度組み立てコックを開ける。
今度は圧力が強すぎて継ぎ目から水が吹き上がる。
前回に引き続きびしょびしょです。
もう一度取り付けて気も取り直して圧力調整を丁寧にゆっくりと。
チュルチュル・・・
やったぁ~~~
材料費にまさるガソリン代を使いながらも、最近の工作品としては珠玉の出来栄えです。
今は水に水を混ぜているだけですけれど、きっとこれが役に立つと信じております。