菜種梅雨。

菜種梅雨。

2024-02-21

今週に入って雨がちな日が続いています。
菜種梅雨というらしいのですが、冬の間萎れてうずくまるように佇んでいたみかんの樹は芽吹きを前にして少し嬉しそうにも見えます。

そして気温がすっかり春でございます。20℃越えともなれば春通り越して初夏の様相です。

ここ数年は冬の暴風雨に見舞われることが多くて、樹になっている「不知火」とかに傷被害が出て困っていたのですが、今年は長雨と高い気温で新しい「困った」に直面しております。

冬場はほとんど気にならないカビの気配を感じます。ちょっと早いです。。

カビて腐って地面に落ちた果実を見ると、もったいないなぁ残念だなぁと思うわけですが、これらは元々果皮に目には見えないほどの小さな傷があって、それが腐って落ちたということなので、例えば早期に収穫をして倉庫で貯蔵したとしてもやっぱり貯蔵コンテナの中で腐ったはずなのです。

このあたりは当園の圃場および貯蔵環境においては、貯蔵完熟より樹上完熟の方が良い結果になることはすでに検証済みなので、もうこれは仕方がないことなのだと割り切っております。

仕方のないことをいくら考えても仕方がないのです。

「不知火」は腐っても私は腐らないのであります。

とりあえず現時点で試食をしてみると「まだまだ全然酸っぱくて食べられたもんじゃない。」です。

昨年は結局最後まで酸味が抜けずに販売を取りやめた経緯があり、今年は考えつく対策は取ったつもりなのだけど今のところ昨年と同じ状況です。「う~む」といった状況です。

これから収穫まであと2-3週間といったところでしょうか。収穫のタイミングは「酸味が抜けて食べ頃になった。」もしくは「これ以上樹で成らせておくとすべて腐って落ちる。」のどちらかです。

甘くて酸味が強くない美味しい不知火を作るのは難しいです。

美味しい柑橘を作るためには「健全な根っこ」が欠かせないわけですが、枝葉と違って土の中にあるため見えない。その見えていない根っこを強過ぎず弱過ぎずに育てる必要があるわけで、「根っこが強過ぎると味が乗らないし弱過ぎると酸味が抜けない」そのバランスをちょうどエエ感じにするのが柑橘栽培の肝と言えます。

現段階での「糖度は上がっているけど酸味が抜けてこない」という状況は、「根っこが弱いようだけど死んでいなければ大丈夫かも」という状況です。

この雨で減酸が進んでくれることを願って、ありがたい雨と考えるようにしました。