葉面散布。

2014.4.27


毎日めまぐるしく作業内容が変っていきます。
今日は葉面散布をおこないました。

今の時期、地上では新しい芽が出て、花のつぼみも日々膨らんできています。一方、地下の根が活発に活動を始めるのはもう少し後になってからです。
それまでは、昨年からの養分吸収で樹体に溜めていた貯蔵養分を使って、芽と花を生長させています。
新しい芽を出したり花を咲かせるという行動は大きなエネルギーを必要とするので、根からの吸収では足りない栄養分を、直接的に葉から吸収させようというのが葉面散布です。

葉の裏には気孔という小さな穴がたくさんあって、余分な水分を蒸散させたり、逆に足りないときは吸収する働きを持っています。
葉からの養分吸収率というのはわりと高く、夕立のあと草木が生き生きと輝いたように見えるのは、雨で濡れたせいだけでもないのです。
特に雷雨のときなどは、空気中の窒素が電気分解されて雨水に溶け込み、ちょうど肥料をあげたのと同じような状態になります。

農薬散布と葉面散布。

今回使用したのは窒素分補給のための尿素と、アミノ酸液肥。なんだかお肌と体に良さげです。
共に肥料としての登録資材なので葉面散布と言い、これに対して農薬散布はその名のとおり、農薬登録をされた資材を使って防除散布するということです。

実際では農薬や葉面散布剤を1剤づつ散布するのはあまりにも非効率的なので、殺菌剤、殺虫剤、それに葉面散布剤を混用することが多いのですが、この場合は1剤でも農薬が入れば農薬散布ということになります。

葉から吸収するということは、農薬も吸収されて果実に移行し、つまりは人の口に入ることになるのではないですか?
という疑問に対しては、薬剤の濃度や、気孔から吸収されない粒子の大きさだとか、分解消滅までの期間を調節することで安全を確保しています。という答えになります。

農薬の場合はしっかりとした効果が要求されるので、丁寧にまんべんなく薬剤がかかるように散布しなければいけないのですが、葉面散布の場合は丁寧さが必要ない分、2倍以上の速さでさらっと作業を進められるので気も体力も楽です。