2015年2月8日(日)
朝、目覚めたらこんなのが目の前に。
一瞬、子供にしか見ることができない例のアレかと思った。
しかし、例のアレとは違ってコレは空を飛べないので、今日の昼ごはんに食べようと思って洗濯物の横に吊るしておいたサンマの丸干しを盗んだのは、きっと違う誰かです。
おかげさんでお昼は玉子掛けご飯でした。
温州みかんの剪定。
やっと根切りと畝の修復作業などを終えたので、剪定に入ります。
多くの果樹類と同じように、みかんをはじめとする柑橘類も春になると新しい芽を出して、それが枝に成長したり花を咲かせたりします。
枝になる芽は樹を生長させ、花になる芽は果実になり、子孫を残す役割を持っています。
一見単純な営みに見えますが、よく見てみると樹によって、
- 多くの芽が出るけれど花が咲かないもの。
- 花はたくさん咲くけれど枝に成長する芽が少ないもの。
- 花が咲く芽と枝になる芽が両方あるもの。
があります。
みかんの樹が花を咲かせ実を作るのは大きなエネルギーを必要とします。そのため多くの実を付けた翌年は果実の生産を停止して、新しい枝葉を作ることで健康(樹勢と言います)を保とうとします。
そしてその新しい枝に翌年多くの花をつけて果実の生産を行います。
これが上記の1と2で、隔年結果の状態です。いわゆる表年(生産年)、裏年(遊休年)といわれるものです。
柑橘類、特に温州ミカンの場合はこの隔年結果性が強く、みかん生産者の頭を悩ませる一番大きな問題です。
「みかんがたくさん成ったー!」と
「ちょっとしか成らなかった-!」が1年ごとにあれば生活が安定しません。
しかも市場相場というのがあって
「たくさん成ったー!」が
「たくさん儲かったー!」にはならないわけです。
「たくさん成ったー!けど安かったー!」もしくは
「相場が高値-!、でも売るみかんがなーい!」
ということになります。これが生産者単位だけではなく地域や全国的に同じ傾向があったりするのが不思議なところです。
もちろん裏年だからといって収穫量が0なんてことはないのですが、3割:7割くらいでも相当な差があるわけです。
(高値3割と安値7割で収益トントンだったりして-!みたいな話はここではひとまず置いておきますね。)
市場や小売からすれば毎年安定した入荷量の方が販売計画が立てやすいわけで、JAや生産者は出来るだけ生産量を安定させる方向で考えます。
つまり上記の3の状態に持っていきたいのですね。
「花を咲かせつつ、来年のための芽も出させる。」
そのための一つの方法が剪定という作業です。
花が多くなり過ぎないように枝を切って、その切ったところから枝葉になる芽を出させる。逆に花が少ない樹はその花を守るように切る。
そして全体的に日光が当たるように樹全体を整えていくという作業です。
生産者の技術的なところがよく見える作業なので、腕の見せ所なのですね。
つづく・・・