農法と商法。

2015年8月23日(日)


北東農園では「マルチシート」で水分調整をし、糖度を上げる手法を用いて温州みかんを栽培しています。とある方がこれを「マルチ農法といいます。」とおっしゃっていました。

「マルチ農法」?

栽培の手段としてマルチシートという資材を使っているだけなのに、農法という言い方には少し違和感を感じるのですね。

「マルチ商法」みたいやし。。

「○○農法」という言葉、農業関連雑誌やインターネットの広告のほか、店頭でも商品に表示されているのをよく見かけますが、「独自の」とか「こだわりの」とかを匂わせる言葉ではあります。

比較検証

先のマルチ農法もそうですが、生産者は今よりもっと品質の高いもの、美味しいものを作ろうと常に新しい手法や資材を試していきます。
生産物の品質に変化が出なければ別の方法を探し、品質が上がればそれを継続して採用し、通常栽培との違いを付加価値として紹介していきます。
ただ、通常の栽培より品質が良くなる資材(商品)を使ったいわゆる「商品名農法」は、それ自体に効果が実証されているものの、果たして生産現場ではその効果を比較検証できないがために、味や安心の形として保障されていないことが多いのですね。

今はやりの「機能性食品」と同じです。
みかんにはβ-クリプトキサンチンという成分が多く含まれていて、「骨粗しょう症や糖尿病の進行を抑え、免疫力を高めてがんを予防しさらに美肌になる効果があるという実験結果が報告されています。」というあれ。
食べたところでどれだけ健康になったか分からないけど、食べた方が良いのではないかと思ってしまうあれです。

「有機○○農法」や「△△式自然農法」などのような理念的な農法名に至っては、「なんのこっちゃい?」なのがほとんどで、なかにはとっても怪しい民間療法みたいなのもありますね。

ちなみに「有機栽培」と「有機農法」の違いをGoogleさんに聞いても分からなかったです。

農法商法

実際に農産物を食べる立場の消費者の方々にとっては「美味しい」と「安全」が重要な要素なのだと思いますが、そもそも「農法」や「栽培方法」によって農産物の味に差が出るのかという問題についていえば、答えはNOでございます。
この答には自信があるので太文字にして赤ペンで書いてみました。

正解は「美味しい農産物を作る技術を持った生産者が作る農産物が美味しい」です。

その美味しい農産物を作る技術は、土質、気候、日照などそれぞれにおける条件の元、すべてが調和するようにバランスを取り、その作物の持ついちばん美味しいところを到達点として培っていくものであって、一資材に偏るものではなく、方法論に沿えば出来るというものでもありません。

美味しいみかんを作る。
そのことだけを考えて畑に立ち、葉の音を聞き、みかんに尋ねます。

より良い答えがあると信じます。

ホームページのトップに書いてあるこの言葉が、北東農園の理念であり方針です。
自分の作ったものに対してお客様が食べた時に下す評価は非常に気になりますが、その評価を惑わす不確定なイメージのセールストークは言わないようにしています。
糖度が○度あるから美味しいとか、農薬を削減しているので安全ですとか、有機肥料で育てているので栄養がたっぷりです。とは言いません。

ほかの農法や栽培方法をあげつらっておきながらみずからのことを「言いません!」とわざわざ言っているところに胡散臭さを感じつつ・・・次回ももう少しこんな話をしてみたいと思います。

え?続くの!?

言わないということをしつこく言うのはいったい

「なんのこっちゃ~い!!」

です。