2015年8月28日(金)
九州を南北に横断して日本海に抜けていった台風15号は、遠く離れていたにも関わらず、熊野地方に大量の雨を降らせていきました。
こちらでは河川の氾濫もなく、ほとんどの田んぼも稲刈りを済ませているので大きな被害は出なかったのですが、北東農園においては水分を制限したマルチシート区のみかんに裂果が出ています。
大量のしかも長時間の雨は葉や果実からの直接吸収と、シートを一面に敷き詰めているとはいえ、雨が枝や株を伝って地面に流れ込むために根からの水分吸収をもたらします。
水分飢餓状態の樹に一度に多くの水が入ると、果皮よりも果肉が大きく成長してしまい割れてしまうのです。
みかんは果皮と果肉の生長バランスに少しズレがあり、今の時期は果肉の生長が勝っているため裂果しますが、熟期に入ると逆に果皮の生長が勝るために「浮皮」という果皮のブカブカしたみかんが出来やすくなります。
水分や養分のバランスをとって裂果や浮皮にならないようにすることも、美味しいみかんを作る要素の一つです。
このまま放っておくとカビが繁殖して腐るうえ、他の果実に移ってしまうので排除します。
今回はやたら「ゆら早生」に裂果が多いなあ。普段の潅水が足りなかったのかなあ。とか思いながら、割れた実はちぎって遊休区などの裸土の方面に投げ込んでいきます。
その実はやがて土に帰ります。
ちぎっては投げちぎっては投げ。
歳とともに地肩が弱くなってきているのが分かります。そんなときは村田兆治の「マサカリ投法」が一番遠くに飛ぶようです。