品種にまさる技術なし

2016年2月16日(火)


 

多年生植物である柑橘類は1本の樹から数十年以上の長期に渡って果実を生産します。
メロンやイチゴなどの単年性作物は栽培期間が短いため、新しい品種への切り替えが比較的簡単に行われますが、みかんの場合は新植してからの未収期間が3-4年と長期に渡ることから、品種の選考と樹を枯らさない管理が非常に大事となります。

しかしいくら大事に育てていても、病害や災害の影響で枯れてしまったり、長年作っている間に消費者の好みが変わって売れ行きが悪くなったり、新しく有望品種が出てきたり等の理由で、品種の更新を迫られる場合があります。

どの品種に植え替えるのかで今後の経営が大きく変わってきたりするので、とても頭を悩ませるわけです。

どれにしよ?

温州みかんひとつとっても把握しきれないほど沢山の品種があるなかで、収穫時期が既存の品種と重ならないかとか、土壌や気候との相性や病害虫への対抗性などを考慮してチョイスする必要があります。

新しい品種などの情報は、果樹試験場や専門誌や街のウワサ(農業関係者限定)などから得るのですが、

  • 「今までの品種と比べて収穫期が早い。」
  • 「糖度が高い。」
  • 「たくさん成る。」
  • 「毎年成る。」
  • 「いち早く導入した人は市場価格がとんでもない高値に!」

というような心躍るような良い情報だったりするわけですが、これをを真に受けてはいけないのはダイエット話や儲け話といった身の回りにある事柄と一緒です。

たいがいの場合、その情報がウソというわけではなくて、使いこなし方や考え方に問題があることがほとんどなのですね。

「作ってはみたけど別に収穫期が早まったわけでも美味しいわけでも毎年たくさん成るわけでもなく、しかも一斉にみんなが作り出したので価格が低迷。」

そして「あの品種はダメだあ。」っていう悪い情報が流れ、次の新しい品種探しが始まります。。

というわけで、ここ数十年の間で全国的に大きく成功した品種が見当たらない 笑

温州みかんの代表的品種「宮川」や「興津」はすでにかなり古い品種です。中晩柑を含めても「不知火(デコポン)」くらいではないのかなあ。

その不知火にしても、収穫初期は美味しくて立派なものが出来るのですが、結実により樹勢(樹の元気)が低下する特性があり、年を追うごとに弱っていく樹勢を回復させるために施肥量を増やしたり収穫を前倒しするなどの対策をとったおかげで、逆に味の低下を招くハメになった挙句、一部の高品質商品を除いて高級柑橘としての存在価値がすっかりなくなってしまいました。

みかん業界には「品種にまさる技術なし。」なんて言葉が昔からあるのですが、結局は「技術なくしてうまくなるものか。」です。

このばあい、「上手く成るものか。」でも「美味くなるものか。」でもどちらでも結構です。

ゆら早生みかん

今年新たに植える予定の「ゆら早生」ですが、北東農園での栽培は10年以上前から行われていて、栽培管理や食味についてはある程度のスキルを積み重ね、お客様の評価をしっかり踏まえ自信を持ったうえでの増殖です。

石橋を叩いてから渡るのではまだ心許ないので、石橋は自分で作ってから渡るのです。

おかげで栽培拡大を決めてからすでに6-7年経過しております。

生産量倍増まで順調に行けばあと4年ほどです。