2016年2月25日(木)
柑橘類を栽培するなかで、一つの作業に最も時間が掛かるのが 「剪定」だろうと思われます。
柑橘の剪定作業というのは、込み入った枝を払い、樹冠内部に出来る果実にも日光がまんべんなく当たるように樹の形を整える「整枝」と、着果枝が多いようであればそれを減らして発育枝が出るように調整する「剪定」をいいます。
この剪定の良し悪しが収穫量や品質に大きく関わってくるとされていて、みかん作りが上手いとか下手の判断基準になったりします。
樹を見ればどのような剪定をしているのかが分かり、(私にはよく分かりませんが)
「あの人は剪定が上手ですねえ。」とか言ったりします。(私はもちろん言われたことありません)
みかんの樹の理想の形というものがあり、まるで盆栽のごとく手をかけている樹を見かけることもありますが、実際は他の作業のことなどもあり、一本一本丁寧に手をかける時間がないわけで、特に広い栽培面積を持っている人などは、出来るだけ手間を掛けずに済ませる必要があります。
切り上げ剪定。
剪定にも流行的なものがあって、立ち枝を切り落として水平に枝を配置することで樹勢を落ち着かせる(この辺りの理屈は難しくてよく分からない。 笑 )のが基本とされていましたが、最近は逆に横枝を切り、そのことで活性する成長ホルモンを使って若々しい枝にしっかりとした実をつける(この辺りも難しくてちょっと・・・)という手法が取り入れられ始めています。
後者を「切り上げ剪定」というのだそうですが、10年ほど前に父親がその「切り上げ剪定」の発案者の講習に出掛けたことがあって、そのやり方がそれまで自分がやってきた(習った)こととは真逆に見えたそうで、
「あんなんあくもんかれぇ!(あの方法は全然ダメなのだあ)立った枝を切って横に広げていくのが本道なのじゃあ!!あえて言うなら切り下げ剪定なのじゃあ!!!」
・・・あ、ちなみにうちの父親は「・・・じゃあ!」とかは言わないのですが、なんとなく雰囲気で付けてみました。
ただ、昔の疎植大木仕立て(樹の間隔を広く取って大きな樹にする手法)から密植栽培(植栽本数を増やして樹形をコンパクトにする)が主流になっている現在では、当然剪定方法も変える必要があり、「切り上げ剪定」はその一つの方法なのですね。
北東農園では
では、私が「切り上げ剪定」信者なのかというと、そういうわけでもなく、「切り下げ剪定」派でもなくて、
・・・見事に切り上がっております 笑
というか禿げ上がっています。
「禿げ上がり剪定」(違う)
でも「切り上げ剪定」を会得している方が見ると
「ぜんぜん違うわっ!」
って言うはずです。(いちおう解説本は読んでみたので、そのことくらいは分かります。)
それにこの剪定を始めた頃は親父の理解を得られるはずもなく
「やり方がメチャクチャやんけ!!(やんけは言わないけど)」と散々怒られながらもグッとこらえて(聞いていないとも言う)続けているわけです。
なぜこのようなことをしているのかというと、つまりは手法や理屈や名前がどうこうではなくて、自分の畑で自分の作るみかんを見ながら剪定をするとこんな感じになるのです。
だからこれを続けていくのですっ!!
答えはみかんが教えてくれるのですっ!!(おぉ~!上手にサイトタイトルにつなげたぞ!)
最近は親父も文句を言い飽きたのか静かにしてくれています。
ありがたいです。
そういえば以前行っていた散髪屋のマスターが
「刈り上げスタイルが今流行っているけど、俺は刈り下げというのを世界で初めて考案したのだ!!これがそうだ!!」
と言って鏡を見せてくれたのだけれど、どこからどう見ても普通の坊ちゃん刈りでした。