2016年8月24日(水)
お盆が過ぎ、季節は夏の終わりを迎えているはずなのに、たて続けの3台風の影響もあり、この夏いちばんの暑さが続いています。
関東や北海道での大雨(あまり聞いたことがないよね)の被害なども出ているなか、三重県熊野地方では台風の影響はなく、北東農園とすればもう少し雨が降ってくれたほうが良かったのですね。
*「海風の・・・」というタイトルなのに山の写真を載せてしまうあたりはご愛嬌です。
青菜に塩。
雨の伴わない海風は畑に塩を運んできます。この塩が葉や実にくっつき、水分蒸散を助けることでみかんの味が濃くなります。いわゆる「青菜に塩」という状態になり、水分が少なくなるぶん糖分が凝縮されるためです。海に近い産地のみかんが美味しいと言われるのはこの海風のおかげもあるのです。
ただ、これは樹の健康状態が良好な場合のことで、今年のように(この地方だけかもしれませんが)雨が少なく、樹が弱っている時に潮風に当たると、落葉が助長されてしまうのですね。
春から夏にかけての果実成長期に落葉が多いと、サイズが大きくならないとか、糖度が上がらないとか、枝が枯れるというような弊害が起きてきます。
近所のみかん園地でも潮風の直接当たる場所では、かなり多量の落葉があった模様です。
「今年のみかんは美味なるでぇ!」から、
「樹勢ガタガタやぁ (T△T)」
まで、それぞれ悲喜こもごもですが、当園といえば
こちら通常から樹勢弱めで海風の直接当たりそうな「極早生みかん」
で、こちらは樹勢強めで、風の当たり難い場所にある「させぼ中生」
「させぼ中生」は元々「極早生みかん」よりも葉色が濃く樹勢の強い品種なのですが、こうやって並べてみると極早生みかんの弱り具合が際立っております。
さらに、果樹試験場によると今年は以前にもこの潮風に当たっていて、ちょっと前の記事「落ち葉焚き。」の理由のひとつでもあったようです。
んで、対処方法はあるのかというと、付着した塩分を速やかに洗い流すしかないのですね。その「速やか」のタイミングは葉っぱを舐めてみれば分かるそうです。笑
スプリンクラーの設備がある隣の大規模園地を羨ましく思いながら、みかんに水をかければ、せっかくの水分ストレスに水を差すことになるので、ここは仕方ないこととして諦めつつ、掃き掃除にいそしむのであります。