2015年2月20日(金)
袋掛けをされて収穫を待っているブラッドオレンジや不知火などの中晩柑園地を時々チェックします。
糖度や酸味などを測りながら果皮の状態を確認すると同時に、袋(新聞紙)が破れていたり、風に飛ばされたりして果実が見えていたりすると、鳥の食害に遭うのでその点検もおこなっていきます。
とは言っても、遅きに失していることがほとんどですけど。
この「不知火」は食べやすいためか特に鳥害が多く、しかも一個体が大きいので被害も大きくなってしまいます。
「不知火」の収穫時期。
スーパーや果物店では、ハウス物とともに露地物も出始めているようです。
ちなみに「中晩柑(ちゅうばんかん)」というのは温州みかん以外の柑橘類の総称です。「雑柑(ざつかん)」と言ったりもします。「不知火」「伊予柑」「せとか」「ポンカン」などのほか、オレンジやレモンもこの分類に入ります。
ちなみにちなみに「不知火」と「デコポン」は同じ品種です。正式品種名が「不知火」で、「デコポン」は熊本県農業組合連合会が所有する登録商標です。熊本農連および全国JAを通じ、糖度などの基準をクリアしたものだけを「デコポン」と呼びます。
親しみのあるネーミングですが、一般的な愛称として使うのはふさわしくないということで、今では「不知火」という呼称に統一されています。
中晩柑には収穫後に一定期間貯蔵され、それから出荷されるものがあります。
貯蔵することで酸味が抜け、糖度が上がる性質を利用しているのですが、これによって食味が良くなると同時に貯蔵性が増し、長期販売が可能となります。
寒風や鳥獣による食害、さらに成り疲れによる樹勢の低下を防ぐ効果もあります。
代表的なものが「不知火」で、1月頃のまだ酸味が残る時期に収穫され、貯蔵されたのち、2-4月頃販売されるというのが多いようです。
不知火の樹上完熟。
先日からすでに数人のお客様に「不知火はもうそろそろ?」という問い合わせをいただいておりますが、北東農園の「不知火」は樹上で食べ頃になるまで完熟させてから収穫して、貯蔵期間を設けず新鮮な状態で出荷するためもう少し後になります。
とお答えさせていただいています。
樹上完熟なんて、こだわり農家っぽく言ってみましたが、じつのところは貯蔵が上手くいかないだけです。
原因は明確です。
- 糖度を上げるために施肥量を減らしているので酸度が特に高くなり、減酸に長期間を要す。
- 施肥量を減らし栄養不足状態の果実は貯蔵性が悪い。
- 貯蔵条件として、庫内の温度や湿度が一定であることが重要なのに、外気の影響をモロに受けるトタン張りの倉庫。しかも小さいのでギュウギュウ詰め。
このような状態で貯蔵すれば腐り果が多発するのは当然です。解決策はといえばこれまた明白で、施肥量を通常量に戻し、適切な管理のうえ収穫から貯蔵。ついでに倉庫を新調する。
簡単な話ですがそうしないのが北東農園のあまのじゃくオリジナルなところ。
あっさり貯蔵はあきらめて樹上完熟で対応です。酸味が抜けて食べ頃になってから収穫すればよいのです。鳥に食べられることなんか倉庫で腐ることを思えばなんてことないのだ。
収穫が遅れた分さらに樹勢が弱って翌作に影響するかもしれないなんて、お客様には関係ないことなのだあ。
その後のことはそれから考えればいいのだあ~!大事なのは美味しいかどうかだけであって、このデコポンの味を覚えてしまったらそうそう元には戻せないのだあ~!!
思わず興奮してデコポンって言ってしまったのだあ~
あ~
長文になるとふざけだす悪いクセが出ました。
というわけで、収穫は3月中下旬頃になると思います。
そのころ改めてご紹介させていただきます。
よろしくお願いします。