2021-08-03
なんだかんだ言うてる間に8月でございます。
先日1回目のワクチン接種がありまして、いっちょ前に副反応なるものも出まして、まだ若いんだぞアピールも出来たワケですが、なにぶん自分のスマホが古いため超高速ネット通信を体感するに至らなかったのは残念と言わざるを得ません。
( ̄ー ̄)
まあ、副反応と言っても接種した側の腕が上がらないという程度のものではありましたが、体調が悪いという状況がここ10年一度もなかったので、せっかくだからとお休みをいただきました。
一日何もせずゴロゴロと寝て過ごしていましたら、翌日腕は元に戻ったのですが寝過ぎたせいで腰痛を発症するという、体を動かしていないと体調が悪くなる農家あるあるな状況に陥ってしまいました。
現在の生育状況
梅雨が明けてからほとんど雨が降っていない上に昼間の暑さのせいで、みかんの樹は元気なく萎れております。葉は色が薄れ、中には黄化して落葉を始めた樹も出てきました。
同時に梅雨時は日に日に成長していた果実の肥大も緩やかになり、うなだれるように下を向き、触ると少し柔らかくなっています。
なんだか軽い熱中症の様相ですが、ただ、みかんにとってはこの状態はそう悪いことではなく、この時期の水分ストレスが美味しいみかんになる条件の一つなのですね。
本来なら樹にストレスを掛けることなく栄養の調節によって緩やかに育てる方が得策ではあるのですが、柑橘の種類、特に「極早生みかん」は成熟までの期間が短いために、ある程度ストレスを掛けて成熟を早めるという作戦が有効となります。
昼間は実も葉も萎びうなだれて、夕方になると少し元気を取り戻すというのを毎日繰り返すことで糖度の上昇を促していきます。
ただ、そのまま放っておくと樹が枯れてしまって元も子もなくなるので、弱り過ぎないように元気が出過ぎないように、朝昼夕と常にみかんの状態を観察しながら少しづつ水をやるというのがこの時期の重要な作業となっています。
潅水設備を使った定量給水の他に、衰弱の大きな樹にはホースを引きずりながら1本づつ個別に水を足していきます。その量1本に付き2-5㍑くらいでしょうか。ちびちびと水を足す姿は藤岡弘さんがコーヒーを淹れるかのごとくです。
幸い潅水設備と井戸があるおかげでさほど苦労なく水やりが出来るのですが、この潅水設備も設置して早20年以上が経ち、水を出す度そこかしこで破損が見つかるため頻繁な見回りが必要で、なかなかセルフオペレーションという訳にもいかないのが現状。
「セミうるせぇ!!」とか言いながら、水が漏れている音を聞き分けるために耳に手を当て歩く姿は、まるで鶴田浩二さんが歌いながら散歩をしているかのごとくです。
近代の柑橘栽培において強い水分ストレスよる食味向上技術は時代遅れになりつつあるみたいだけど、とりあえずこのやり方しか知らないし、まあまあ美味しいのが出来ているとは思っているので、まあ良いのではないだろうかなあと思っています。
いつまでも昭和を引き継ぐのでございます。
果肉が少しづつ色づいてきました。