みかんの選別基準。

収穫を間近に控えて。

2022-10-10


南国三重県熊野地方でも、朝晩は肌寒さすら感じるような気候となってまいりました。そろそろ長袖の出番です。

昼間の気温もさほど暑いとは感じず、例年と比べると残暑というものが短かったような気がします。

みかんにとっては秋になればさっさと涼しくなってくれる方がありがたいのですが、涼しい理由がお天気が悪いせいとなればありがたい話ではなくなる訳で、9月からこっち半分以上の日で雨が降っている気がします。

まともな晴れ日が10日くらいしか無かったのではないだろうか?というくらいの雨期っぷりです。

夏の終わりから秋の初めにかけて、陽が射さなくて湿度が高い日が多くなると「糖度は上がらない」「酸度は下がる」「果皮は膨れる」という、極早生みかんにとってはかなり厳しい状況に追い込まれます。

もうね、極早生なんて作るの辞めたほうが良いんじゃないの?というくらいの三重苦っぷりです。

でもね、やっぱり作るんですけどね。

今年は台風の直撃被害は免れてるし、カメムシ飛んできてないし、お客さんが待っててくれてますからね。と、考えれば、作らない理由が見当たらなくなります。

まあ、四の五の言ったところで味が良くなるわけでもないので、ここはもう開き直って出来るだけ樹上で長持ちするように、みかんに栄養剤を振り掛けつつ自分に発破もかけつつ、しっかりと仕上がるのを待って、ハズレの出さない選別を心がけていきたいと思います。

今のところ長雨の影響で生育が止まっている状況ですので、最終評価と販売開始のお知らせは、あと数日お時間を頂きたいと思います。

北東農園の選別基準。

ここからは収穫前にいつも書いている当園の販売基準についての記事となります。
毎年の焼き直し記事ですが、改めてご確認いただければと思います。


果物はその年の天候によって美味しさが大きく変わります。
陽射しが少なく雨が多い年は糖度が上がらず水っぽい味になるというのは知られた話ですが、みかんの場合は収穫直前の雨にすら影響を受けてしまうくらいデリケートな果物です。

「見た目が同じなのに味が不安定」という欠点を払拭するために、生産者はいろんな努力をして品質の安定化に努めるわけですが、なかなかお客さんの「ハズレを引いたらイヤだな」という気持ちを消すことはできていません。

このあたりは過去記事

美味しいみかんの見分け方→

産地によってみかんの味に違いはあるのか→

ブランド化はみかん産業の救世主となりうるか→

などでも書いていますので暇なときにでも読んでみてください。

北東農園の当たりハズレ。

みかんをお買い上げいただいた方からこんなご意見が届くことがあります。

「去年の方が美味しかった。」「昨年と違う品種?」「味が悪いのに値段が一緒なのはどういうことかっ!!」

つまり期待外れだったということです。

申し訳ないという思いを込めながらも、「いくら努力をしていても毎年同じ味のみかんを作るのは不可能なです。でもその中から私が「これなら大丈夫!」という基準をクリアしたものだけをお届けしています、決して美味しくないものをお送りしたわけではないのですどうぞよろしくご理解戴きたいのです!」

という説明をするわけですが、初めて食べた北東農園のみかんがたまたまとびっきり美味しかった場合、翌年のみかんの出来が悪くないにも関わらずガッカリするという事態が起きてしまいます。
しかし、「今年は不味いです。」とも言えない。なぜ言えないのかというと、販売基準をクリアしたものだけをお届けしているからです。

つまり「とびっきりではないが十分美味しい」と思っているからです。

そしてこの「美味しさをどう伝えるか」という難題についていろいろと考えた挙句に思いついたのが「食味レベル表示」です。

食味レベル表示。

  1. 北東農園独自の食味基準です。
    収穫されたその年のみかんの美味しさを5段階に分け、味のレベルを表すことで購買の目安としていただくためのものです。
  2. 糖度はあくまで栽培上での目安なので表示はしません。糖度、酸味、旨み等を自分の舌で総合的に判断して決めています。
  3. 同一品種を対象としているため、同じレベルでも「極早生みかん」と「早生みかん」では食味基準が違います。
  4. あくまで当農園内の独自基準で、他産地や他の生産者との比較ではありません。

食味レベル

味の目安

販売基準

1

美味しくない

販売しない

2

あと一歩

販売しない

3

美味しい

販売する

4

とても美味しい

5

とびきり美味しい

という感じです。

品質を揃える。

通常みかんの樹には数百個のみかんが成っています。
そのなかで樹の状態や枝の太さ、果実が成っている位置などによって、大きさや着色度合いや味がさまざま異なり、美味しいものから美味しくないものまで混在して成っている状態です。

北東農園ではこれを5段階に数値化し、レベル3以上と判断したものを収穫して販売するようにしています。

品質を揃えるための栽培管理はもちろんのこと、収穫段階では美味しいものを先に収穫し、着色の遅いものや味の乗りが悪いものは食味が基準値以上になるまでそのまま熟成させ、後日改めて収穫します。
さらにこれらを私一人で行うことで品質の安定を徹底させています。

当たりの取り扱い。

食味レベル2以下のいわゆる「ハズレ」を入れないことで「美味しいみかん」を保証しているつもりなのですが、販売基準を超えるレベル3以上のものについては区別なく入れています。

このレベル3以上を区別しないのは、目で判別するのが難しく、食べてみて初めて分かるものだからです。
そのため毎年お買い上げいただいているお客様にとってはどうしても「当たりハズレ」があると感じてしまうことになります。

天気が低調でレベル4以上が少ない年は食味レベル3とし、少量販売して終了します。
逆に天気に恵まれた、いわゆる当たり年にはレベル4とし、とびっきりの美味しいみかんがたくさん入ったものをたくさん買っていただけます。

食味レベル表示の意味。

レベル4の翌年にレベル3だった時の「買わない選択肢」の提示。

つまり「昨年より美味しくないんだったら買うの止めとこ。」という判断材料の提示です。

ここまでくどくどと説明しましたが、毎年お買い上げいただいているお客さんにしか伝わらないし、「毎年買ってるけど違いがよく分からん。」とも言われます。
独りよがりっぽいし判りづらいなあと自分でも思いますので、もしご質問があれば遠慮なくお問い合わせ下さいませ。

他の産地や他の生産者さんの作ったみかんの味について私が関知するわけもなく、ただ北東農園のみかんについて「ハズレ無し」をモットーにしています。
もしよければ一度お買い上げ頂き、お客様の口で判断していただけたらなあと思います。

とりあえずみかん買って下さい。(*^^*)


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