2024-01-30
全国的に大きな盛り上がりを見せている(らしい)「給食をオーガニックに」運動というのがあって、
「未来を担う子どもたちにはできるだけ身体に良いものを食べさせてあげたい!まずは学校給食をオーガニックにすることから始めましょう!」
ということらしんだけど、
一見良さげなことを言ってるように見えますが、、
でもそのあとに「子供のアレルギーなどの増加」「農薬など食の安全性に対する懸念」「世界はすでにオーガニック!日本は遅れている!!」なんていう言葉がまるで半を押したように並んでいるのを見ると
どこにそんな根拠があんねん!
と思うんですよ。
いや、オーガニック自体は別に良いんですけどね
趣味嗜好の話ですから何を食べるなんてことは各自ご自由にっていう感じなんですが、なんで学校給食をオーガニックにする必要があるのかと思うのですね。
「体に良いはずがない農薬なんて無い方が良いに決まってるでしょうが!」
「アンタは農薬バンバン使ってる慣行栽培農家だから有機栽培を敵対視しているだけでしょうが!」
いや、別に「慣行」と「有機」が敵対しているわけでもないし作り方なんて各自ご自由にすれば良いって感じなのですが、農産物を生産している立場として単純に「子供の健康のために!」ってところに違和感をおぼえるのですね。
オーガニックとはなんぞや?
え?そこから??
定義大事ですから。
「オーガニック=有機」です。
農業での「有機」は「有機農業」や「有機農産物」のことです。ちなみに「有機農産物」とは「有機JAS規格」に則って作られた農産物のことです。
ちなみにちなみに「慣行栽培」は化学農薬や化学肥料を使う通常の栽培方法を指します。
細かいことはさておき、オーガニックって、なんとなくふわふわとしたイメージだけだったりしません?
オーガニック野菜は「通常の野菜より美味しくて栄養価が高く安全だから素晴らしい!」
って感じのふわふわとしたイメージ。
この時点ですでに事実と異なっているわけですが、それに続いて
「グリホサート(除草剤の一成分)で癌になる」
「ネオニコチノイド(殺虫剤の一成分)が環境を壊し子供の発達障害にも繋なる」
「食事をオーガニックに変えたら改善した」
「全国の小・中学校でオーガニック給食を広め、併せて有機農業を全国に展開して、子どもの健康に配慮した食材を提供しよう」
「サステナブルで生産性の高い有機農業を推進しよう!」
と、オーガニックを推し進める団体やそれを後押しする政治家などが活発に発言しているようですが、
違和感~!!
すげー違和感~~!!!!
根拠がどこにも見当たらないんですけど、、、、
そもそもオーガニック栽培の目的は「環境に負荷をかけない」であって「健康に配慮」とはどこにも書いてない!
「通常の野菜と比べて栄養価が高い」訳ではなく
「安全性が高い」訳でもなく
「美味しいかどうかはその人次第」
というのが科学的な見地からの根拠ですね。
農薬の懸念についても「グリホサートが癌の原因とは言えないし発達障害と食事に因果関係はない」
と証明されているはずですが、なぜか農薬や化学肥料や食品添加物などの化学合成物質を悪と決めつけて、子供を持つお母さんたちの不安を煽ってるようにしか見えない。
さらに生産現場からすると、生産を安定させるために農薬や化学肥料を使うのであって、有機栽培で高い生産性を保てるならコストと労力の掛かる農薬なんか最初から使わないでしょ!と思うわけですが、「オーガニック農業の成功事例」などには具体的なデータは見当たらず、自然との共生によって得られる幸福感が書かれているのみ。
う~ん、、
その高い生産性を持つとされる有機農業の作物は何?栽培面積は?人件費は?反収どれくらい?生産額は?
たぶん家庭菜園、、
10坪(0.3a)と3000坪(1ha)を一緒にしてはいけないと思うの。
もちろん成功している大規模農場もあるけど、ごく一部の農場で栽培している品種もごく一部。
そんな中で
「サステナブルで持続可能な農業を!!」
とか言われてもねぇ。
オーガニック栽培に挑戦した人が挫折した話はよく聞くけど慣行栽培者の挫折はあまり聞かない。
どっちが持続可能なのか?
そもそも給食だけオーガニックにして子供の健康状態が良くなるの?
通常の給食予算が一人あたり300円程度しかなく献立が不十分だと聞くけど、価格が高く栽培品目も限られていてそのうえ生産が不安定なオーガニック野菜でどう賄うおつもりなんでしょう?
逆に健康悪くならない?
虫や虫食い跡を切除しながら調理する手間は誰が?
子供には成長に必要なカロリーや栄養バランスの取れた多彩な食材をたくさん食べさせてあげる方が良くない?
って思うのです。
ちなみに農産物の栽培方法や農薬などについての北東的解説はこちらのページで紹介していますので、もしご興味がありましたら読んでみて下さい。